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2022年02月04日06:28

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ストロング小林さん追悼(29)

69年「IWAワールド・タッグ王座挑戦シリーズ」終盤戦、12月5日、大田区体育館(テレビ収録、観衆3,000人発表)大会。

この日はダブル・メインイベント。ダブルメイン第2試合はグレート草津&サンダー杉山組のヨーロッパ・タッグ王座に、11月1日、札幌中島スポーツセンターで行われた王座決定戦に敗れた「レバノンの双生児」シーク&エミールのエルマンソー兄弟がリベンジ挑戦。

1本目は9分38秒、杉山がシークをエミールの得意技であるジャーマン・スープレックスホールドを先に仕掛けて先制のフォールを奪いました。2本目は3分43秒、エミールが草津を体固め、決勝の3本目は14分9秒、草津が新技ジャパニーズ・レッグロールクラッチ(回転足折り固め)でエミールを破り2−1で草津&杉山組が2度目のタイトル防衛に成功しました。

ダブルメイン第1試合はストロング小林がブルーノ・アーリントンとノンタイトルのシングルマッチ60分3本勝負。1本目は9分11秒、アーリントンが体固め、2本目は4分1秒、小林が体固め、決勝の3本目は2分47秒両者リングアウトとなり1−1の引き分け。小林はイギリスの強豪アーリントンは倒すことが出来ず。

セミファイナルは豊登&田中忠治組がゴードン・ネルソン&イアン・キャンベル組と対戦。1本目は14分19秒、田中がネルソンを体固め、2本目は1分56秒、ネルソンが田中を体固め、決勝の3本目は3分4秒、豊登が逆片エビ固めでキャンベルからギブアップを奪い2−1で豊登&田中組の勝利に終わりました。

シャチ横内はバッド・コディを12分42秒、体固めで降し、マイティ井上はバディ・コルトとシングルマッチで対戦しましたが、12分27秒、体固めで敗れています。

シリーズ最終戦は12月6日、蔵前国技館(テレビ収録、観衆4,000人発表)大会。国際プロレスにとって国技館は「鬼門」か、前年11月30日、「ワールド・チャンピオン・シリーズ」に次いで1年ぶりの開催となりましたが、この時も同じ4,000人発表と振るわず。

3日前の12月3日、日本プロレスがNWA世界ヘビー級王者、ドリー・ファンク・ジュニアを招聘し東京体育館で馬場が挑戦、1−1から60分時間切れ引き分けとなっていますが、この時11,000人(超満員発表)の大観衆を集めており、明暗はクッキリと別れました。

さて、本日記では「IWA世界タッグ王座挑戦チーム選抜戦(仮)」としてきましたが、国際プロレスでは「IWAタッグ王座挑戦シリーズ」と銘打って興行を行っていたにも関わらず、当時のプロレス熱戦譜ではリーグ戦やトーナメントが行われた記録がありません。

当初は参加外国人チームが代わる代わるIWA世界タッグ王座に挑戦するような話だったようですが、シリーズのエースだったアーリントンから「リーグ戦をやって挑戦者チームを決めよう」という提案があったとのことでした。しかし記録がない。

そこで、熱戦譜から「それらしい」試合を抽出し独自の解釈を加えさせて頂きました。それが選抜戦(仮)です。アーリントン&キャンベル組、シーク&エミールのエルマンソー兄弟、フランク・バロア&横内組、コルト&ゴージャス・ジョージ・ジュニア組、ネルソン&コディ組の試合記録の中から、最終戦の前日の大田区大会までの「45分3本勝負」を抽出。

今シリーズは外国人同士のタッグマッチが多数行われており、外国人対決はこれまでは通常のシリーズでは組まれていなかったことから、この組合せを選抜戦と定義しました。

さらに日本組については先ず優勝して王座に挑戦することはないと仮定し、IWA世界タッグ王者チームである豊登&小林組以外のチーム、草津&杉山組、杉山&田中組、杉山&大磯武組、草津&大磯組、田中&大磯組が45分3本勝負でこれらの外国人チームと対戦しており、こちらを一括りにしました。ただし、草津&杉山組vsエルマンソー兄弟(2回)、同vsバロア&横内組によるヨーロッパ・タッグ選手権試合は除外しました。

この勝敗を偏波式のリーグ戦に引き直すと…

1位 アーリントン&キャンベル組 13戦9勝4敗。
2位 日本組 12戦8勝4敗。
3位 エルマンソー兄弟 10戦3勝6敗1分。
4位 バロア&横内組 9戦2勝7敗。※
5位 ネルソン&コディ組 5戦1勝3敗1分。
6位 コルト&GジョージJr組 3戦1勝2敗。※

※バロア、GジョージJrは途中帰国。

何といい加減か、と思われる方もいるかと思いますが、これが国際プロレスの杜撰なマッチメイクであり、ある意味真骨頂。一事が万事とは言いませんが翌70年3〜5月にかけて開催された「第2回IWAワールド・シリーズ」の予選が後になって「実は行われていなかった」ことが発覚することになります。上記はあくまで独自の仮説ですが、あながちデタラメでもないと思います。

偏波式のリーグ戦は日本プロレスの55年アジア選手権大会、初期のワールド・リーグ戦にも散見され、また参加選手が多すぎた全日本プロレスの75年12月の「オープン選手権」も違う意味での偏波式リーグ戦と言えます。

蔵前国技館大会メインイベントは豊登&小林組にアーリントン&キャンベル組が挑戦したIWA世界タッグ選手権試合、1本目は7分12秒、両チームリングアウト、決勝の2本目は1分13秒、豊登がキャンベルを逆片エビ固めでギブアップさせ、2−1で豊登&小林組が4度目の王座防衛を果たしました。

セミファイナルには先シリーズからの遺恨試合となる草津vs横内のシングルマッチ時間無制限1本勝負。壮絶な喧嘩マッチになるかと観客は期待しましたが、リープフロッグの失敗により下腹部を打ってダウンしている草津に試合中にも関わらず本部席のマイクを持った横内が「日本人同士いがみ合っても意味がない、引き分けにしよう」と仲直りを申し入れ、草津と握手してしまいました。結果は9分53秒、ノーコンテスト裁定となりました。

田中&大磯組とコルト&ネルソン組は1本目、23分32秒、コルトが田中を体固め、2本目は3分7秒、日本組の反則勝ち、決勝の3本目は1分1秒、田中がコルトを体固め。2−1で田中&大磯組の勝利でした。

杉山&井上組vsシーク&エミールのエルマンソー兄弟の対戦は21分32秒、杉山がジャーマン・スープレックスホールドでエミールを破り杉山&井上組に軍配が上がりました。勝ち星には恵まれなかったエルマンソー兄弟でしたが、TBS時代の国際プロレスの試合を収録したDVD−BOX「伝説の国際プロレス」には短時間ながら映像が残されており、抜群の身体能力の高さは証明出来ています。

「IWAワールド・タッグ王座挑戦シリーズ」と銘打っておきながらきちんとした公式戦を行っておらず、また、ヨーロッパ・タッグ王座を復活させたりなど、その日の水揚げ欲しさの場当たり的マッチメイクはこの当時からあった訳で観客動員にはこの頃から苦労していたというのが伺えます。

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