ダニエル・クレイグのダブリュオーセヴンは作品同士が繋がりがあるらしいけれど、全部観ていてももう忘れちゃったんで、最初から観ようと思ったが、カジノロワイヤルの監督キャンベルがピアース・ブロスナン版の第一作も手掛けたってんで、『007 ゴールデンアイ』を観る。これでもかなり昔の作品なんだな。香港を舞台にした007をむかし観たけれど、ボンドとボンドガールが敵から逃れながらの応戦で香港中を破壊しまくって、それはそれでいいものの、その後すぐ、スパイであるがゆえにシレっと姿をそのまま消すのかと思いきや、破壊されつくした街の真ん中で、ボンドとボンドガールふたり仲良く水浴びをするスローモーションが表され、それには驚かされ、そんなのんびりなことしてたら香港ポリスがやってきて捕まってしまうぞ、と思ったこと今でもよく覚えている。ゴールデンアイにおいても、ロシアの都市を戦車で壊しまくっていた。コネリーやムーアのときの、兼高かおるなまだ世界の他の国がどんなどころか未知でワクワクするエキゾティズムも、冷戦緊張の国同士における、隠密に作戦を執行するサスペンスも消えてしまいブロスナン版、サスペンスではなくスペクタクルに徹するのは、まさにナインティーズにふさわしいダブリュオーセヴンである。ブロスナン版、たぶん他の圀に出向いて暴れまくってもおとがめなしの水戸黄門にも通じる、国境を越えて暴れまくるスペクタクルが魅力だったのだろう。かつてのスリルがなくなっての只々壊しまくるセヴンにかつてはうんざりしたけれど、いま観れば、この過剰に暴れまくるボンド、異常にモダンである。
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