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2023年01月29日20:48

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映画日記『黄線地帯 イエローライン』

2023年1月29日(日)

『黄線地帯 イエローライン』(1960年)
監督:石井輝男
日本映画専門チャンネル【録画】

生まれたときからひとりぼっちの孤児院育ち。卵ひとつがご馳走だった。そんな不幸な生い立ちの殺し屋(天知茂)がいた。彼のモットー、それは悪い奴しかバラさないことだった。
ところが、依頼人(大友純)に騙された殺し屋は、善人である神戸の税関所長を射殺したあげく、裏切った依頼人によって警察に通報されてしまう。
逃亡する殺し屋は、神戸行きの仕事のため、東京駅に出向いていた踊り子のエミ(三原葉子)を脅し、新婚カップルを装って神戸行きの夜行列車に乗り込む。
いっぽう踊り子エミには新聞記者の恋人(吉田輝雄)がいた。
彼もまた、神戸を根城とする外国人相手に日本人女性を斡旋する売春組織、その名も「イエローライン」を暴くため、神戸へと発った。
運命の糸にたぐり寄せられるように、殺し屋と踊り子と新聞記者が神戸の街に。
そして、舞台は国際都市神戸のカスバと呼ばれる迷路のような魔窟へと移り・・・・

見るのは2回目。
なんといっても我ら名古屋人の誉れ、天知茂の哀愁に酔う。
哀愁だけでなく、善人面した真の悪党ボスに、怒りの銃弾を浴びせるシーンは喝采ものだった。
おきゃんな三原葉子、少々マヌケな吉田輝雄もお約束通りの大活躍。
そして、新東宝の悪役といえばこの人、悪相の大友純が懐かしい。
そして、セットで組んだ魔窟カスバの造型が見どころ、ほんとうに素晴らしい。
殺し屋と踊り子がしけ込むのが、カスバに建つ連れ込み風の安ホテルの2階。
階下にカスバの狭い路地がはしり、その路地にも階段があったりして、とても立体的なセットだ。カスバに並ぶ飲食店のネオンや看板が艶めかしく、路地には国籍不明の人びとが行交っていた。
そんなカスバの店に一歩入ると、そこには着物姿の黒人女性が寄りそってくる。
地帯(ライン)シリーズ唯一のカラー作品。
他のモノクロで撮った地帯(ライン)シリーズの作品が、ドキュメンタリーっぽい雰囲気なのに反し、本作は色がついたことによって、まるでカストリ雑誌の表紙みたいな、いかがわしいさと猥雑さに包まれた。

何度見ても大傑作!!




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