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2023年01月13日11:22

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映画日記『終末の探偵』

2023年1月12日(木)

『終末の探偵』(2022年)
監督:井川広太郎
駅西・シネマスコーレ

お気に入りの名脇役・北村有起哉の主演作とならば見るしかない。
日本のどこかの大きな地方都市。
喫茶店の一角を連絡先として間借りしている中年探偵・連城新次郎が主人公。
連城は腐れ縁のやくざ幹部から、賭博の借りをチャラにするからと敵対する中国系やくざの調査を依頼される。
いっぽう、喫茶店に帰ってみれば、行方不明になっているクルド人女性を探して欲しいという依頼人が待っていた。
あまり乗り気ではなかったが、とりあえず依頼人に会ってみると、これがまた飛びっ切りのベッピンさんで、即刻乗り気に。
連城が引き受けたふたつの依頼が、やがて思わぬかたちでからみ合うことになり・・・・

とにかく連城扮する北村有起哉が、殴り殴られ、走って追いかけ息上がり、ジャック・ニコルソンみたいに鼻切られ、噛みつき不意打ち頭突き金●蹴りと、最初から最後までスクリーンいっぱい動き回る。
北村有起哉のいちファンとして、もうこれだけで大満足!!

と、ふだんならここで感想は終わりになるが、どうしてもひとこと苦言を付け加えておきたい。
厳しい言い方になるが、金のなさが丸見えだ。
どう見てもマンションの空き部屋が病棟の一室になっていたり、同じくマンションの空き部屋がやくざの事務所になっていたり、莫大な金を動かす黒幕の隠れ家がふつうの民家にしか見えなかったりと、面白い映画かどうかを語るよりも先に、金のなさ、製作費の乏しさが目についてしまう。
これは本作だけのことではなく、日本映画の、とりわけインディーズ系の宿痾みたいなもの。
金がないのが常態なら、金のなさを感じさせない才気や知恵が必要だと、つくづくおもう。
本作でも、北村有起哉と東欧系とおぼしきパブ嬢がやりとりする短いシーンに、うらぶれた場末感がにじんでいて、とても印象的だった。
このシーンみたいな雰囲気で押し通したら、別ものになっていたかもしれない。

文句ばかりになったが、依頼人のベッピンさんを演じた、武イリヤという女優さんが良かった。ひと目惚れ。



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