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2022年07月23日23:40

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映画日記『夜明けの夫婦』

2022年7月23日(土)

『夜明けの夫婦』(2022年)
監督:山内ケンジ
伏見・ミリオン座

一階にリタイアした父親と母親、二階に息子夫婦という、二世代同居家族のお話。
どうもコロナが終息した世の中という設定みたい。
元は左翼活動家の教師だった母親が、きっと今の時代にそんなことは言ってはいけないと理解しながらも、つい嫁に聞いてしまった。
「ところで、子どもはまだなの?」
聞かれた嫁は困ってしまう。
というのは、コロナ禍で在宅勤務が続いた夫とは、四六時中顔をつき合わせていたためセックスレスになってしまった。
さらに夫は浮気をしてるみたいで・・・・

気まずい映画。
『友だちのパパが好き』(2015)や『At The terrace テラスにて』(2016)のように、場に漂う気まずさを笑いに転じていくのが、山内ケンジ監督の真骨頂。
本作も友人や知人の家庭内の揉め事を目の当たりにしたときのような気まずさはあるのだが、なかなか笑いまでに転化できなかった。
母親が左翼だったり、嫁が在日韓国人だったりという設定が、うまく機能していたかどうかも疑問に残る。
夫婦の営みに、「はやく孫の顔が見たい」という親たちの思惑が絡んでくると、話がとたんに気まずくなるのは世の常。
最近は、少子化と人口減少の社会問題が加わって、話がさらにややこしい。
夜の営みが性欲を満たす快楽なのか、それとも子作りが「家」と「社会」に対する義務と責任を果たすための作業なのか、その曖昧模糊としたあたりを描こうとした映画のようにおもえた。
なんて、偉そうに書いたが、なんせ独り身のジジイなので、まったく説得力はないが。

久しぶりに「夜明けのうた」を聞いたが、名曲だ。
しみじみとそうおもう。
♪夜明けのうたよ〜のメロディが流れるなか、しばらく不能だった夫(あっ、これも気まずいなあ)が久しぶりに燃えた。
そんな夫に応え、よろこんで身体を開く妻に、彼は腰をふる。
ふたりの姿がこっけいなのに、愛おしい。
下から見た少子化問題というユニークさと、けっこう盛り上がったラストだっただけに、もったいなかった。

ということで、今夜はこの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=pcl_KIcQHg4



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