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2021年05月14日00:07

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映画日記『愛のコリーダ』

2021年5月13日(木)

『愛のコリーダ』(1976年)
監督:大島渚
伏見・ミリオン座

デジタル修復版。
エンドロールに「1976」という数字が見えた。
見終わって、場内のあちこちから45年も昔の映画なのかというため息のような声が聞こえてきた。
私もまわりと同じようにため息をつきたい気分だった。
それと同時に怒りが沸き起こる。
45年も経って、まだボカシの入った『愛のコリーダ』を見るしかないのか!!
パソコンやスマホで容易に無修正ポルノが見られる時代に、どうしてかたくなにボカシをかけ続けるのか、不思議でならない。
間違って子どもが見たらというのなら、そのために「18禁」のレイティングがあるのだし、それ以上にスマホのほうがあぶない。
いったい誰が、どういう理由で、ボカシを必要としているのか、ほんとうに教えてほしい。

ということで、映画を見て久しぶりに腹が立った。
いまの日本のもやもやした感じと、『愛のコリーダ』にかけられたボカシとが同根のようにおもえてならない。
ところで、今回のリバイバル上映はHPによると、「2023年に大島渚作品が国立機関に収蔵される予定のため、今回が最後の大規模ロードショーとなる」とあった。
国立機関というのは国立映画アーカイブ(旧・国立フィルムセンター)のことだろう。
収蔵にあたっては、後世のためにも無修正版とボカシ版の2本を残すべきだ。
少し冷静になって考えると、大島渚は『愛のコリーダ』という1本の映画を通じて、死んでもなお御上(おかみ)に楯突いていることになる。
いっぽうで、45年間もボカシをかけ続ける御上も強固でしぶとい。
いつか京橋のスクリーンに、ふたつの『愛のコリーダ』がかかり、ボカシ版に場内が笑いに包まれるような時代になってほしいものだ。


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