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2020年10月26日23:35

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映画日記『歌え若人達』

2020年10月26日(月)

『歌え若人達』(1963年)
監督:木下惠介
岐阜柳ヶ瀬・ロイヤル劇場

いずれも地方出身で、都内のとある大学の学生寮に住む四人の青年がいた。
ネクラで何ごともマイナス思考の森(松川勉)、旧家出身で家族と親類の期待を一身に負った勉強ひとすじの岡田(三上真一郎)、プレイボーイながら持ち前の要領のよさで成績も優秀な宮本(川津祐介)、そしてマザコンでどこかピント外れの平尾(山本圭)だ。
それぞれの学生生活が卒業までだらだらと続くとおもわれていた。
ところが、4人の中でいちばん地味な森が、アルバイトでビルの窓ふきをしていたところを撮られた写真が、週刊誌の表紙を飾ることになった。
その写真がテレビ局員の目にとまり、森は新作テレビドラマの主役に大抜擢されることになる。
森が美人女優の厚木紀子(岩下志麻)と親しく話す様子を、これまで、華やかさの中心だった宮本は羨望と嫉妬の目で見ることになった。
森の芸能界デビューがきっかけとなり、やがて青年たちひとりひとりが自分の人生と向かいあうことになるのだった・・・・

先週見た『春の夢』が痛快だったのと、今回はシナリオが山田太一ということで、おおいに期待したのだが、「うーん、残念」というのが正直な感想。
『春の夢』のような弾けっぷりがまったくない。
弾けないからなのか、話がてきぱきと進んでいかない。
さらには、佐田啓二と岡田茉莉子を筆頭に、柳家金語楼、益田喜頓、三島雅夫に渥美清、懐かしやロイ・ジェームスといった面々がチョイ役で登場するが、うまく使われてはいなかった。
芸達者ぶりを見せてくれたのは、三上真一郎の祖母役を演じた東山千栄子ぐらい。
ということで、木下惠介でも凡作を撮ることがあると知り、それはそれで貴重な体験だった。

ところで、凡作ではあるがひとつだけ見どころがあった。
それは途中に出てくるストリップショーのシーンだ。
ストリップといっても、舞台に置かれた幕に身体をくねらせる踊り子さんのシルエットが映っているだけ。
大したことないなあ、とおもっていたら、とつぜん幕を破って踊り子さんが登場する。
その踊り子さんの姿にギョッととした。。

うわ、ブラが、ない!

下は穿いているが、ブラはなし。
ただし、バストトップは乳首カバーというのかニップレスというのか、小さな飾りもので隠している。
しかし、隠しているとはいえ、おっぱいがぷるんぷるんと揺れている。
『カルメン故郷に帰る』(1951年)とは比較にならないほどの本格的なヌードショーだった。
今なら、特段すごいとはおもわないが、「1963年」という時代に、これだけエロティックなシーンを撮っていることに心底驚いた。
ネットで検索したら、1963年あたりから、いわゆるピンク映画のはしりが登場し、大手映画会社も、うかうかしていられなくなったらしい。
そんな背景があったのかどうか分からないが、木下惠介がどういうつもりでこのシーンを撮ったのか、知りたいところだ。

おっぱいに興奮して、凡作というわりには、長文の感想になってしまった。


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