■鉄道旅行記　９

■鉄道旅行記　９

ＪＲ線全線完乗の旅も最終日だ。

●５日目　３月２９日（日）

６：３４　小倉発

小倉を出発し、博多の少し手前にある香椎駅で降りる。
不思議なことに、香椎（かしい）という駅名は、ずいぶん昔から知っていた。
どうしてだろうとおもいネットで検索したら、高校生の頃に読んだ松本清張の『点と線』に登場していたのだ。
若い頃の記憶力はすばらしい。
香椎線の海側の終点・西戸崎へ。
続いて、香椎宮に参拝したのち陸側の終点・宇美に到着した。



香椎線完乗。
このあと、筑豊本線の未乗区間である新飯塚〜原田間を乗り終えた。
筑豊本線完乗。

原田で時刻表の路線図を見ていたら、太宰府がすぐそばにあることが分かった。
せっかくなので、予定を変更し太宰府天満宮へ参拝することにした。
ＪＲの二日市駅から、１０分ほど歩いた西鉄二日市駅で、太宰府行きに乗る。
西鉄に乗るのは生まれて初めてだ。



太宰府駅と駅前が、想像以上に立派なのには驚いた。
参道から本殿と、けっこうな人波で、閑散という雰囲気ではなかった。





といっても新学期時期なのだから、例年ならもっと人出が多いはずだ。
このあと、もう１本乗らなければならないので、ささっと参拝を済ませる。
天神様は学問の神様だが、学績向上や合格祈願をする歳でもない。
ということで、

「数独の中級がすらすらと解けますように！！」

と、お願いしてきた。
そしたら、あら不思議！！
参拝してまだ１週間も経っていないというのに、数独の中級が少しずつ解けるようになった。全問解答まではいかず、解くのに時間はかかるが、以前のように手も足もでないということがなくなった。
天神様の神力、大なり。これ、ほんとうの話なり。

太宰府から博多に出て、今回最後の１本、博多南線に乗る。
JR線の全線完乗をめざすまで、博多南線という路線があるなんて、まったく知らなかった。
時刻表の路線図を見ると、博多駅からひと駅分の短い線が鼻毛のように、ちょろっとはみ出ている。
博多南線は新幹線の操車場を利用した盲腸線だろうとおもっていた。
きっと乗るのは鉄道ファンぐらいだ。
ところが、２００円の乗車券と１００円の特急券を購入して、博多駅の新幹線ホームに停車していた列車に座っていたら、どんどんと乗客が乗ってくる。こんなにも鉄道ファンがいるのかと、びっくりした。
ところが、乗客の様子をよく見ると、私のようにリュックを背負い、カメラと時刻表を手にしてる人などひとりもいない。
そういえば、半分が女性客で、時刻表でなく買い物袋を手にしている。
ようやく合点がいった。乗客は通勤・通学や博多への買い物客だ。



案の定、終点の博多南駅周辺にはマンションが建ち並んでいた。
まさか、新幹線が住民の暮らしの足になっていたとは、時刻表をながめていただけでは想像できないことだった。
こんな「発見」があるのも旅の楽しみ。

ところで、どういうわけか博多南線８.５キロはＪＲ西日本の路線になる。

１７：３３　博多南着

ＪＲ西日本の全線を乗り終えた。

ＪＲ九州も未乗区間の筑豊本線、後藤寺線、日田彦山線、香椎線に乗り、ＪＲ全線の乗車率が、７９.８８％から８１.７８％になった。

本来なら、そのまま九州の未乗区間を回り、ＪＲ九州を完乗するつもりだったが、さすがに不要不急の旅行を続けることが後ろめたくなってきた。
今春中にＪＲ線の全線を完乗する予定だったが、現状ではいつになるか分からない。