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2020年02月15日01:21

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映画日記 『屍の箱』 『1917 命をかけた伝令』

2020年2月14日(金)

『屍の箱』(1955年)
監督:キム・ギヨン
駅西・シネマスコーレ

キム・ギヨン監督の長編劇映画デビュー作。
アメリカが資金を出した反共映画とのこと。

内戦時代、のどかな農村に見知らぬ男がやってきた。
彼は戦争で長男をなくし、母と妹だけになった一軒の農家を訪れる。
男は「長男は生きている」と、母と妹に伝え、そのまま村に居着いた。
しかし、彼は偽装した北朝鮮ゲリラだった・・・・

というストーリーらしい。
らしいという書き方になったのには事情がある。
『屍の箱』は、ながらく行方不明だったが、10年前にアメリカのアーカイブ施設で発見されたものの、音声が欠落していた。
そのため、本作はサイレントのうえ、字幕もついていない。
事前に配られたあらすじのプリントで、なんとかストーリーが理解するしかなかった。
しかし、映像だけとなると、きっと寝るだろうなあとおもったら、やっぱり中盤で寝てしまった。
ということで感想なし。
舞台となる韓国の農村風景は貴重な映像だろう。

楽しかったキム・ギヨン監督の特集上映もこれでお終い。
先月の川島雄三監督に次いで、キム・ギヨン監督の特集上映と、濃密な時間が続いたので、もう1年が終わったような気分だ。
年があけて、まだ1ヶ月と2週間しか経っていない。
このぶんだと、今年は長い1年になりそうだ。

もう1本、封切り映画を見てきた。


『1917 命をかけた伝令』(2020年)
監督:サム・メンデス
伏見・ミリオン座

1917年4月、第一次世界大戦下のフランス。
撤退を始めた独軍に、英軍1600名が追い討ちをかけようとしていた。
しかし、撤退は罠だった。
追撃してくる英軍を殲滅しようと、独軍が待ちかまえているのだ。
伝令として攻撃中止の命令書を託された若い兵士ふたりが、戦場へ駆けだしていくのだが・・・・

映画的なシンプルなストーリー、兵士ふたりがとにかく前へ前へと進んでいく姿を撮っていく。
序盤で、蝿が飛びねずみが走りまわる夥しい数の死体の中で、兵士が手をつくシーンがあった。
見てる私には、手に腐乱した死肉がぐにゅっとなるような感じがして、一気に戦場のおぞましさに襲われる。
結局、腐乱した死体のイメージが最後までまとわりつくことになった。
塚本晋也監督の『野火』がそうだったように、戦争とは損壊した肉体と腐乱した死体のことなのだろう。
「前線にきて、初めて猛烈な死体の臭いをかいだら、膝の力が抜けてしまった」
昔見たベトナム戦争のドキュメンタリー映画で、ひとりの米兵が喋っていたことも思いだした。

名古屋では今月末から上映が始まる、ピーター・ジャクソン監督の『彼らは生きていた』も見ておきたい。


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