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2019年06月28日00:06

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映画日記 『裸の町』 『サイド・ストリート』 『怪談 蛇女』

水曜日は大阪へ日帰り出張。

2019年6月26日(水)

『裸の町』(1948年)
監督:ジュールス・ダッシン
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

タイトルは昔から知ってるのに、見るのはこの日が初めてだ。
終盤の殺人犯と警察官たちの追いかけっこが見どころ。
殺人犯と若い刑事が、必死になって走りまわる。
『ブリット』のラスト、飛行場で犯人を追いつめていくスティーブ・マックイーン、犯人ではないが、恋のタイムリミットに向けて走り出す『卒業』のダスティン・ホフマン、そして『幻の湖』の南條玲子は愛犬殺しの仇敵を包丁片手に追い回す。
かけっここそ映画の醍醐味だ。
その追いかけっこを、ニューヨークの街中に、ドンとカメラを持ち込んで撮っている。
『グロリア』と同じように、ニューヨークの雑踏がこの映画の主人公だった。


『サイド・ストリート』(1950年)
監督:アンソニー・マン
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

ニューヨークに暮らす貧しい郵便配達人のジョーは、可愛い奥さんとこれから生まれてくる赤ちゃんのために、わずかなお金が欲しかった。
留守になっていた配達先の事務所で、ジョーは魔がさしてしまい、キャビネットを壊して中に入っていた札束を盗みだしてしまった。
想像以上の大金にジョーは動揺してしまう。
それは殺人に絡む金だった・・・・

『裸の町』同様に、本作もクライマックスの追いかけっこが見どころ。
ただし、車による追いかけっこ、カーチェイスだ。
ニューヨークの街中を、警察のパトカーと、殺し屋とジョーが乗ったタクシーとのカーチェイスが繰り広げられる。
よく見ると、歩道に人影がない。
当時としては、それだけ危険な撮影だったのだろう。
逃げるタクシーと追うパトカーを、上空から俯瞰で撮ったシーンが出てきた。
道路に差す高層ビルの影の合間を、追いかけっこをする車の列が走り抜けていく。
モノクロ映画だったこともあり、今見てもスタイリッシュなシーンだった。
少々甘い映画だったが、こちらも面白かった。

ところで、『裸の町』と『サイド・ストリート』に共通して、小さな子どもたちが縄跳びに興じるシーンが出てきた。
両端のふたりが縄を回して大きな輪をつくり、その輪を順番にくぐっていく遊びだ。
その光景に、成瀬巳喜男の映画に出てくる、路地裏で遊ぶ子どもたちを思いだしてしまった。


『忍法忠臣蔵』(1965年)
監督:長谷川安人
大阪新世界・日劇東映

この日の3本目。
少々疲れてたのと、直前に昼食をとったこともあり、半分ほど寝てしまった。
「忠臣蔵」に、お色気の「くノ一」ものを掛け合わせたという奇っ怪な映画だった。
ちゃんと見とけば、それなりに面白かったかも。


『怪談 蛇女』(1968年)
監督:中川信夫
大阪新世界・日劇東映

じつは大阪出張の本命。
なにしろ怪談だ。蛇女だ。しかも監督が中川信夫だ。
これは見るしかない。

ときは明治のはじめ、裏日本の寒村が舞台。
貧しい小作人の弥助(西村晃)は、強欲な地主の長兵衛(河津清三郎)から、執拗ないじめを受けていた。
どうも長兵衛の狙いは弥助の美人妻・すえ(月丘千秋)にあるようだ。
長患いと長兵衛からの冷酷な仕打ちの末に弥助は死んでしまう。
さっそく長兵衛は弥助の家を取り壊したうえ、すえと娘のあさ(桑原幸子)を自分の家に引き入れた。
すえは下働きの女中として、あさは機織りの女工として、朝から晩までこき使われた。
長兵衛の妻・政江(根岸明美)は、すえに嫉妬し、彼女に冷たくあたる。
そんなある日、どこからとなくあらわれた蛇をかばったせいで、すえは政江と長兵衛によって、打ちすえられ、足蹴にされたあげく、頭を打って死んでしまった。
とうとう天涯孤独になったあさに、さらなる不幸が襲いかかる。
長兵衛のバカ息子・武雄(山城新伍)があさの身体を狙っていたのだ・・・・

小作人一家の恨みと蛇の呪いが、長兵衛一家に復讐するという、おなじみの展開になっていく。
怪談といっても、今から見れば、さほど怖くはない。
それでも、蛇が苦手なのと、こわがりなので、ギョッとして2度ほど椅子から飛び上がってしまった。
熱にうかされたようなオレンジ色の色調と、死出の旅路につく遍路と御詠歌。
いわば中川信夫節が全開。
恐怖より、このムードを楽しむ映画だ。

見どころは、このとき21歳の桑原幸子。
田舎娘ということで、ケバい印象の桑原幸子が化粧を落として登場する。
若いお肌がつるつるしてて、とてもきれい。
こんな美人だったんだ、とあらためて感心した。
幻想シーンで桑原幸子が花嫁姿になる。
前日の日記で星由里子の花嫁姿が綺麗と書いたが、桑原幸子の花嫁姿もすばらしかった。
中川信夫監督の怪談映画を十二分に楽しんだうえに、きれいな桑原幸子を見ることができた。
わざわざ大阪へ行った甲斐があった。
大満足!!



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