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2024年01月27日22:19

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映画を見ない日の出来事416

映画を見ない日の出来事416

この前読み終えた「日本ハードボイルド全集 傑作集」で藤原審爾の「新宿警察」シリーズからの一編がとても面白かった。
名古屋市の鶴舞図書館に、「新宿警察」という、そのままのタイトルの本があったので、さっそく借りてきた。
とても古い本で、奥付に「昭和43年9月25日」、定価380円とある。
目次をながめると全部で11編の短編集。
その中に、「愚連隊純情派」というのが出てきた。
ひょっとして、昨年CSチャンネルで見た増村保造監督の痛快作『ぐれん隊純情派』(1963)の原作ではなかろうかと、表題作の「新宿警察」より先に読みはじめた。
落ち目なやくざの組員だったチンピラたちが、ひょんなことから旅芝居の一座に転がり込むというストーリーが、映画と同じだった。
ウィキペディアによると藤原審爾は『ぐれん隊純情派』だけでなく、多くの映画に原作を提供しているという。
吉田喜重の『秋津温泉』(1962)や今村昌平の『赤い殺意』(1964)など何本かは記憶にあるが、あらためて日本映画データベースで検索してみると、全部で57本ものタイトルが出てきた。
そのタイトルをながめると、えええ、これもそうなの!!!と驚く。
市川雷蔵の『ある殺し屋』(1967)は知っていたが、石井輝男&高倉健の『花と嵐とギャング』(1961)と『恋と太陽とギャング』(1962)、深作欣二&松方弘樹の『恐喝こそわが人生』(1968)、新東宝末期の傑作といわれる『地平線がぎらぎらっ』(1961)もそうだった。
そして極めつけが野村孝&宍戸錠の大傑作『拳銃(コルト)は俺のパスポート』(1967)の原作も藤原審爾だ。
珍しいところでは、鶴田浩二と岸洋子共演の『獣の宿』(1951)は、藤原審爾の原作を黒澤明が脚本化していた。
さらには、山田洋次や森崎東の松竹喜劇や加藤泰やマキノ雅弘の任侠映画まで、そのバラエティさは尋常でない。
その中に、1971年公開の『人間標的』があった。
監督井上梅次、主演が若林豪と山崎努。
実は、高校生の頃に藤原審爾の名前を初めて知った映画。
ストーリーなどはすっかり忘れているが、悪役を演じた山崎努がとても良かったという印象が残っている。
さきほど『人間標的』の詳細を調べたら、なんと『新宿警察』シリーズの一編「復讐の論理」が原作だという。
うれしいことに「復讐の論理」は借りてきた本に収録されていた。
できたら、原作を読んだ後に『人間標的』を再見したいのだが、残念ながらネット配信にはなかった。




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