映画日記『ウイークエンド』

２０２３年５月１１日（木）

『ウイークエンド』（１９６７年）
監督：ジャン＝リュック・ゴダール
今池・名古屋シネマテーク

いやあ、まいった。
何が何だかさっぱり分らない。

あまり仲のよくない夫婦が、週末に妻の実家がある田舎町へ車で出かける。
ところがとんでもない大渋滞に出くわしたことを皮切りに、車を失い、次々とあらわれる奇妙な連中に振り回され、あげくにナントカ解放戦線というゲリラ組織に拉致されたあげく、夫は妻に食べられてしまう・・・・
という話だとおもう。

この映画は何を言おうとしているのか？？？
理解しようとおもうと手も足も出ないが、見てる分には面白い。コントみたいなシーンにクスっとなる。
やたらと銃をぶっ放したり、事故車が横転し、道路にごろごろと死体が横たわっていたりと暴力的なイメージがつきまとう。
ベトナム戦争が泥沼化し、翌年にはパリの五月革命が起きるという、当時の時代の雰囲気が反映しているのだろう。
見どころは、えんえんと続く大渋滞を、左から右へ長回しで撮ったシーン。
何度見ても、このシーンはすごい。
そう、『ウイークエンド』を見るのは二度目。
たしか大学生の頃に一度見てるが、覚えているのはこの大渋滞シーンと、妻が夫を食べてしまうというオチだけだ。
ゴダールの映画は、何本か見てる。
いずれもよく分らない映画なのにもかかわらず、印象に残るシーンがひとつやふたつ必ずある。
難解なので敬遠しつつも、それでも今日みたいに体調が良いと彼の映画を見たくなるのは、才気溢れる映像の魅力だ。