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2020年10月09日21:05

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映画日記『ロシュフォールの恋人たち』

2020年10月9日(金)

『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)
監督:ジャック・ドゥミ
駅西・シネマスコーレ

『シェルブールの雨傘』同様、大好きな映画。
見るのは今回で3度目だろうか。
何度見ても多幸感溢れる傑作ミュージカル。

ところが、3度目にもなると、少し冷静な目で見ることになった。
これまでより一歩下がって見ると、『ロシュフォールの恋人たち』は、かなりヘンな映画だった。
ひとつめは、フランソワーズ・ドルレアック扮する双子姉妹の姉が、くり返し「お嬢さん、下着が見えてますよ」と指摘されること。
下着といってもシュミーズみたいなもので、いわゆるシミチョロ。
あらためて見ると、シミチョロにはまったく意味がない。
いっぽうで、なんともいえないトホホ感があって、妙にひっかかる。

ふたつめ、フランソワーズ・ドルレアックにシミチョロを指摘するひとりが、ジーン・ケリー扮するアメリカからやって来た音楽家のアンディだった。
アンディは、ミッシェル・ピコリ扮する旧友のシモン・ダームがロシュフォールの街にオープンした楽器店を訪問するため車を駆って、滞在地のパリからやって来たのだった。
2回目までは気づかなかったが、3回目になると、どうもおかしい。
何がおかしいかというと、たいした街でもないのに、アンディがダームの楽器店を探すのになんと2日もかかっている。
金曜日にロシュフォールの街で地元の人に聞きまくり、ようやくダームの店にやって来たのは土曜日だった。
アンディという人物は、はっきり言って、馬鹿だ。

みっつめ、これは初めて見たときも違和感をおぼえたのだが、明るく楽しいミュージカルに血なまぐさいバラバラ殺人事件が登場すること。
シミチョロ以上にヘンだ。
3回目の今回も、やっぱりヘンな展開だなあ、とおもって見ていた。
ところが、このバラバラ殺人事件の被害者の名を知ってビックリだった。
被害者というのが“踊り子のローラ”だった。
『シェルブールの雨傘』に続き、またしてもローラだ!!
ローラさん、とうとう殺されちまったよ。
作り手のジャック・ドゥミやミッシェル・ルグランたちが、ニヤニヤしてそうだ。

話かわって、3回見ても、よく分からないところがある。
双子姉妹の妹のカトリーヌ・ドヌーヴがパリへ行くために、ジョージ・チャキリスたちといっしょにカーニバル一座のトラックに乗っていた。
彼女とすれ違いが続いたジャック・ペラン扮する若い絵かきも、ヒッチハイクでパリへ向かうカーニバル一座のトラックに乗り込んでエンドとなる。
ジャック・ペランが乗ったのは、ドヌーヴが乗っているトラックだったのだろうか?
確認できなかったことがくやしい。
映画館で本作を見るのは、きっと今回が最後だろう。
このままでは、ずっと疑問が残ったままだ。
DVDでも買うか借りるかして、確認しなければとおもった。



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