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2020年06月30日18:41

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映画日記『15年後のラブソング』

2020年6月30日(火)

『15年後のラブソング』(2020年)
監督:ジェシー・ペレッツ
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

イギリスの海辺にある田舎町が舞台。
亡き父が建てた郷土博物館を継いでいるアニー(ローズ・バーン)がヒロイン。
若いころはいろいろと夢もあったらしいが、いつしか始終カーディガンを羽織っている典型的なイギリスの中年女性になっていた。
同棲するダンカン(ニック・ホーンビィ)というパートナーは、タッカー・クロウ(イーサン・ホーク)という、アメリカの忘れられたロック歌手に入れあげたあげく、とうとう自らサイトを立ち上げてしまった。
全世界で数百人のタッカー・クロウのファンと、タッカーの謎の失踪や、曲の裏に隠された秘密について、日夜ああでもない、こうでもないと、意見交換をする日々だ。
タッカー・クロウおたくのダンカンに、アニーは少々呆れがちだった。
そんなある日、アニーがタッカー・クロウのデモ曲に辛辣なコメントを寄せたことがきっかけで、一通のメールが彼女の元に届いた。
送り主はなんとタッカー・クロウ本人だった。
ダンカンに内緒でメールをやりとりするうちに、アニーはタッカーにひかれていく。
そして、ひょんなことから、タッカーがイギリスを訪れることになり・・・・・

ロック音楽がモチーフのひとつになっている。
これがジャズだったら、たとえばイーサン・ホーク演じるタッカーが失踪して行方不明になったいるジャズ奏者に置き換えれば、ウディ・アレンの新作映画といっても通じる大人向けのラブコメだ。とにかく苦笑と笑いの連続だった。
とりわけ、しっちゃかめっちゃかな病院のシーンが大笑いだった。
私も基本はおたくなので、ダンカン目線でストーリーを追うことになる。
そうするとラストは少々手痛いおもいをすることになるが、これは中年女が人生の仕切り直すをするという映画なので、いたしかたない。
同時に、おたくのジジイでも、人生の仕切り直しができるかもしれないとおもわせる映画でもあった。
ローズ・バーン、ニック・ホーンビィ、イーサン・ホーク、三人のアンサンブルが見事。
ローズ・バーンとイーサン・ホークの影になりがちだが、ニック・ホーンビィの痛いおたくぶりは他人事ではなかった。
三人の気まずい夕食の場面で、ニック・ホーンビィがイーサン・ホークに思いのたけをぶつけるシーンは、おたくならグッとくるはず。
この三人だけでなく、イーサン・ホークのきれいな娘さんと可愛い坊や、ローズ・バーンのレズビアンの妹、トンチンカンな町長さんに写真の老女と、登場する人物ひとり一人が愛おしい。
ラブコメの傑作であると同時に、キャスティングの妙を味わう1本だった。



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