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日記一覧

国民義勇戦闘隊
2019年12月16日22:30

先日、NHKラジオを聞いていたら「国民義勇戦闘隊の動員資料」が「福井県勝山市の公民館」で発見されたというニュースが報じられていた。この「国民義勇戦闘隊」について、僕は小学生の頃から知っていた。父の実家(祖父の家)に『共和町史』という本があって

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78年目のアリゾナ
2019年12月08日11:26

USS Bennington honors to the USS Arizona -1958USN Photo archives #1036055「ぼくは別の仕事を選ぶことにして、飛行機のパイロットになった。世界のあちらこちらを飛びまわる。地理の勉強は実際に役に立った。ぼくは一目見ただけで中国とアリゾナを見わけ

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以前から「観たい」と思っていた映画「レオニー」のDVDを観た。「レオニー」というのは、国際的な彫刻家であるイサム・ノグチの母親レオニー・ギルモアの名前だ。イサム・ノグチは、僕にとっては、故郷である「札幌」と母校である「慶應義塾」をつなぐ人物

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内村鑑三 vs 紫式部
2019年11月18日22:22

内村鑑三の『後世への最大遺物』が話題になっていたので、「源氏物語について「最大遺物」に「あのような文学は」「根こそぎに絶やしたい」と書かれているのを読んでから、「なんだ源氏の価値も分からない若造の勇ましい戯言か」としか読めなくなってしまいま

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ドナルド・キーンの憂国
2019年10月30日22:36

「首相の靖国神社への参拝が気にかかっている。以前、私は日本が左翼に乗っ取られるのではないかと心配していたが、今は右翼が乗っ取らないか心配だ」(2013年12月27日)「(憲法とオリンピックに対する私の考えが新聞に掲載されたが)今のところ2人しか反応

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若くて愚かな光る源氏
2019年10月09日23:16

源氏物語の「若紫」を読み直してみる。このまま、「葵」くらいまでは進みたい。まだ、「あわれ」も知らぬ愚かしくも若々しい光る源氏。光る源氏の若々しさと愚かしさとは何だろうか。自分が相手を恋することによって、相手が傷つくかも知れない。そんな可能性

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◆源氏物語の最古の写本見つかる 藤原定家が書き写し2019年10月8日 19時16分(NHK)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191008/k10012118121000.html「 平安時代に紫式部が書いた「源氏物語」の物語の1つを鎌倉時代の歌人、藤原定家が書き写した写本が

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デカルトを懐疑?(3)
2019年10月07日22:05

「人は正義にしたがうことを力で強いることができなかったので、力にしたがうことを正義であるとなした。」パスカル/松浪信三郎訳『パンセ』よりブランシュヴィック版・第299節ラフュマ版・第81節.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆。'・.:*

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デカルトを懐疑?(2)
2019年10月05日21:28

「「わたしは考える、ゆえにわたしは存在する[ワレ惟ウ、故ニワレ在リ]」というこの真理は、懐疑論者たちのどんな途方もない想定といえども揺るがしえないほど堅固で確実なのを認め、この真理を、求めていた哲学の第一原理として、ためらうことなく受け入れ

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デカルトを懐疑?(1)
2019年10月04日23:52

「およそ世にあるもので、最も公平に分配されているのが良識である。」「デカルト(BOT)」( @wareomouyueni )よりhttps://mobile.twitter.com/wareomouyueni/status/1179622556749291521デカルトの『方法序説』の冒頭の言葉。「我思う、故に我あり」の次に有

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 −−俺達の建築した痴呆については、既にさまざまな奇蹟や歴史が物語っている。 −−俺はそいつのすきを窺っていた。すると不意に俺を窺っているそいつと目を見合わすことがある。俺は瞬間に 《永遠》 を感じた。俺は永遠に生きかえることがないだろう。

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岡倉天心−その内なる敵
2019年10月02日21:34

九鬼周造には、岡倉天心に関するエッセイが少なくとも2つある。九鬼は、岡倉に愛憎半ばした感情を持ちつつも、少なくとも晩年には敬愛の念を持っていたようだ。幼き頃の九鬼は、母(初子)と共に暮らしていたが、その初子は夫(九鬼の父)と長く別居していた

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増税前の駆け込み購入
2019年10月01日21:35

人前で言うと叱られそうなので公言はしないが(笑)、純粋に経済的合理性から言えば、僕は消費税は欧米並みの20%くらいでもよいと思っている。問題は使い道であり、大学卒業までの学費や基本的な子育ての費用は、国庫で負担するくらいにして欲しいと思ってい

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兄「ふーむ、それ[=自殺]が俺達がなし得る古くから決まっているところの正真正銘の自由意志の一つだとすると、他の一つは何だと思うかな」弟「まだほかに何か私達が自由意志で振舞えるのでしょうか?」兄「それが、できるのだ。まだお前は若過ぎて解らぬの

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兄「生まれついてこの方絶えず外部からつき動かされている俺達が自らだけから発した意志、正真正銘の自由意志でおこなえることがこの人生に二つあるが、お前はそれがなんだと思うかね。」弟「他のひとつは解りませんけれど、ひとつは古くから決まっています。

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「生物全般において交尾器の進化は速い。「形」のなかでは最も変化が速いと考えられるので、「交尾器を見ない限り、種は見分けられない」という状況がよくある。交尾器の精査は、昆虫の名前を知り、分類を行うのに欠かせな作業なのだ。」「一〇〇〇万種にも達

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『死霊』を積ん読に戻して本の整理を再開したら、『新古今和歌集』(日本古典全書・1959年)が出てきて、つい「仮名序」を読んでしまった。この「仮名序」については、いずれじっくりと読み返してみたい。ついでに「秋」の巻にも読み進んでしまい、こんな

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「論理」と「感銘」−−あるいは「理性=reason」と「情念(感情・情緒=passion)」について「一種ひねくれた論理癖が私にある。胸を敲つ一つの感銘よりも思考をそそる一つの発想を好む馬鹿げた性癖である。極端にいえば、私にとって凡てのものがひややかな

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おもふまま為(し)たいざんまい為つくして死にゆきし父はうらやむべかり金沢種美.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆。'・.:*:・.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・九鬼周造の「情緒の系図」(岩波文庫『「いき」の構造』所収)を読んでいたら、こんな歌

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同語異字−漫葉集
2019年09月18日21:22

澤瀉久孝『萬葉集注釋』巻第一(中央公論社・初版1957年、普及版再販1990年)p.245より「万葉集」の巻第一の第27番の歌。最近、マイミクの方の日記に次のようなコメントを書いた。「和歌などでは、三十一文字の中で同じ言葉は繰り返さないこと

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応援の倫理(ちはやふる)
2019年09月16日20:24

「お姉ちゃんが日本一になるのが私の夢」「そんなのは夢とは言わんよ。自分のことでないと夢にしたらあかん。のっかったらだめや。お姉ちゃん可哀そうやが。」アニメ「ちはやふる」第一首「さくやこのはな」より.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆

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「あらゆる人間存在は、彼が、存在を根拠づけるために、また同時に、それ自身の根拠であることによって偶然性から脱れ出ているような即自すなわち宗教では神と名づけられている自己原因者(自己原因的存在者)を、構成するために、あえて自己を失うことを企て

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「ところで「企業」は、資本制的なものであろうか? 「企業」は資本制的にふるまうが、企業の内部構造は、まったく資本制的にできていない。だから経済学と経営学とはまったくディシプリンがちがう。経済学は企業の行動を扱うが、経営学は、企業組織を扱う。

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九鬼周造の自殺論
2019年09月08日13:56

「人間は死の自然の到来を待たないでみずから生よりも死を択ぶこともある。だが、もし死後に何等かの形で生の存続があるとしたなら自殺は無意味なものとなってしまう。自暴自棄の自殺でさえも、責任逃避の自殺さえも、自殺と言う現象は否むべからざる厳粛性を

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正義と大義−ゴルゴダ
2019年09月07日17:04

「自衛隊というのはね、張子の虎ではダメなんだ。自衛隊に課せられている専守防衛の理念は、反撃を禁止するという意味では断じてない。戦略守勢なんだよ。先制攻撃はできないかもしれないが、2005年の改正で緊急対処要領に基づく先制的自衛権の行使も可能

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九鬼周造に、はまっている。彼の全集(全12巻)のうち4巻ほどを図書館から借りて読んでいるが、どれも面白い。今は、第11巻の「講義 文学概論」を読んでいる。九鬼の思想の核にあるのは、「時間」であり「偶然性」である。前に九鬼の『偶然性の問題』を

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中国とアリゾナ(余論)
2019年08月07日21:34

滝川美緒子・滝川クリステル『リトル・プリンセス・トリック”星の王子”からのメッセージ』(講談社・2015年)という本がある。帯には、「星の王子の”謎”が解けた!」「これは、私たち家族が見つけた、サン=テグジュペリが本当に伝えたかったメッセー

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九鬼周造を読んでいる。『「いき」の構造』(岩波文庫)は、以前に読もうと思ったときには面白さが分からず、途中で読むのをやめてしまっていた。しかし、今回は色々と面白く読むことが出来た。前に読みかけたときには、「いき」という美意識について構造的な

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賃金形態論
2019年07月20日23:34

「言っておかなければならないが、賃金を論じたこれらの諸章に知的興奮を覚えるのは難しい。というのも、そこで示されている思想はあまりにも自明であり、書かれていることはかなりありきたりのことだからである。」デビッド・ハーヴェイ『入門』(作品社・2

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人間の心的能力の三要素
2019年07月06日22:46

先日の日記にいただいたコメントについて返信を書こうと思っていたのだが、長くなったので今日の日記とする。ヒュームの『人間本性論』は、「知性」「感情(情念)」「モラル」という3つの部からなる。つまり、ヒュームは人間の本性として、この3つを要素と

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