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2019年09月16日20:24

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応援の倫理(ちはやふる)

「お姉ちゃんが日本一になるのが私の夢」

「そんなのは夢とは言わんよ。
自分のことでないと夢にしたらあかん。
のっかったらだめや。
お姉ちゃん可哀そうやが。」

アニメ「ちはやふる」第一首「さくやこのはな」より

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誰かを応援するということは、一般的には「素晴らしいこと」だと思われている。
誰かに「期待」されるということは、多くの場合には「喜び」かも知れない。
しかし、努力することが耐え難い苦痛となることもある。
そんなときには、他人からの「応援」や「期待」は、とてつもない重荷となる。
マジメな人にとってほど、その荷物は重くなる。

そう考えると、他人を応援したり他人に期待することにも、相応の倫理が要求されるのではないかと思う。
しかし、具体的にどのような倫理かということを考えると、なかなか難しい。

2011年の5月、まだ震災の傷から癒えぬ仙台の飲み屋の中で、
「頑張れなんて言葉は言えないよなぁ」
というつぶやきを聞いたことがあった。

既に十分に頑張っている人や頑張り疲れている人に「頑張れ」と言うのは、確かに酷なことだと思った。

冒頭に引用したのは、百人一首の競技カルタの世界を描いた漫画をアニメ化した作品の第一話から。
主人公は、タレントを目指す姉を応援している。姉がミスコンテストなどで優勝することが「自分の夢」だと言う。
それに対して、競技カルタの「名人」を目指す友人が言う。

「そんなのは夢とは言わんよ。
自分のことでないと夢にしたらあかん。
のっかったらだめや。
お姉ちゃん可哀そうやが。」

努力すべきなのは、まずは自分だ。頑張るべきなのは、まずは自分だ。
頑張ることも、休むことも、それぞれ自分の選択と責任でなすべきことだ。

この福井弁で語られた言葉は、倫理だと思った。

◆アニメ「ちはやふる」
https://www.ntv.co.jp/chihayafuru/

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