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2026年09月09日15:36

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デス・プルーフ in グラインドハウス


☆デス・プルーフ in グラインドハウス(Death Proof 2007; クエンティン・タランティーノ) 

 *『ブルーベルベット』と同じように、こちらでもダッジチャージャーは大活躍(ただし後半での活躍。前半の黒いマッスルカーは1970/71年型シボレー・ノヴァ)。

 *タランティーノらしくレトロ趣味、フィルムのノイズやコマが無くなっているためジャンプしてしまう映像なんかを意識的に入れて雰囲気やリズムを生む。ヒップホップしカットアップしコンバイン、様々なジャンルを混在させる。もエクスペリメンタルして小難しいものとはせずちゃんと娯楽とドラマとして成立させる。つまりエンタメし、でもって登場人物たちの心理のキャッチボールをちゃんと描き、オーディエンスがちゃんとドラマ映画を観ているんだ、と納得させるのである。

 *アメリカでは盟友ロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー』と2本立てで『グラインドハウス』(Grindhouse)というアンソロジー映画として公開された模様。グラインドハウスとは本作品のようなスラッシャー、或いはホラー、バイオレンス、アクション、ポルノなどB級映画を2、3本立てで上映していたアメリカの映画館を言う(家族向け映画なぞぜったいに掛からない!)。バタイユ的恍惚としての、死に重なるかのようなエクスタシーが表される。バタフライは黒いダッジチャージャーを怖れるでなく待ち人きたる的に、その鋼鉄のボディに畏怖し恋しぐれになっているようにも見えるし(たくさんのダーティー・ヒーローを演じてきたカート・ラッセルがそのこと強化する)、まったく逆になーんにも考えていないようにも見えるし(カマかけてるのかもしれないが、スタントマン・マイクの名前を忘れている)、どちらにしても、彼女たちグループは快楽主義者であること変わることなく、ホラー映画史に歴然と輝くお約束通りに血の祝祭。そしてそれは快楽主義者たちにとってはエクスタシーであること、致死証明は謳っている。快楽主義者であること、それはスタントマン・マイクとて同じこと。しかしながら後半では彼の行為はただの自己満足の自慰行為であること語られしおん。さらに上を行く快楽主義者たち、そう、最高級のスピード悦楽を求める女たちによってマイクの化けの皮が剝がされる。といった内容かな。前半は悪魔のいけにえにして死霊のはらわたにしてキャンプ殺人のような感じだけれど、後半はラスメイヤーしている。でもとにもかくにも主役はカーアクション!

 *後半の登場人物たち悦楽主義の女性たちは映画業界の人々それゆえ映画ヲタク知識が満載なのは違和感おぼえず。

 *場所的にほぼほぼロサンゼルスとは関係なく、テキサス州オースティン(ここはたしかリンクレイターの故郷。彼の作品何本かはここをロケーションにして製作している)が前半、そして後半はテネシー州レバノン。

 *後半は白黒の映像でスタートするも、アイマスクをするアバナシーに合わせるかのような、まだ目をつぶり感覚が鈍いものに合せるかのようなセンスを表すものであり、彼女がアイマスクをとった後、鮮明なカラーが表される。そのカラーに、新橋で立ち喰い寿司を3軒ハシゴするモデルたちのようなヴァイタリティーが表される。

 *カート・ラッセルはホラー映画に相応しいような、異様なキャラを演じ圧巻。スタントマン・マイクと黒いマッスルカーたちは悪魔のいけにえのチェーンソーにも匹敵する。でも最終盤では打って変わって、『許されざる者』のリチャード・ハリスと同じように、いつものタフガイと違ってラッセル、情けない奴になるけれど(というよりも、もっとアニメ的な感じで、トムとジェリーの追いかけっこがラストは逆転していじめっ子が散々な目に合うと言った方が適切であろう)、タランティーノは『ジャッキー・ブラウン』のデ・ニーロもそうしたキャストにしたように、意外性をオーディエンスに届けている。カート・ラッセルはいつもではない役柄、きっと楽しんで演じたことだろう。

 *黒いダッジ・チャージャーに対して女性たちが乗る白いダッジ・チャレンジャー、あんなに壊れまくって試乗なのに大丈夫なのかなと思うも、心配なさるな、最後にマイクの顔をグシャるサウンドは出だしのフィルムのノイズたちにも表されるように、ゴダール譲りにこれは映画なのです、とタランティーノは高らかに語らしおん!




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