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2026年02月16日18:19

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『CLIMAX クライマックス』覚え書き


*『CLIMAX クライマックス』 (Climax 2018)購入したので観る。おもしろかった。今回で観るの3度目かな。今回じっくり観たからか、悲惨な状況が強く受け取られる。これまでは、これ、喜劇?という感じで観ていた。というのも、よくあるじゃん、アメリカ産の青春映画とかでプロム(高校の卒業パーリー)で、皆がすくえて飲めるようになってる大きな入れ物に入ったフルーツポンチに悪ガキ3人組とかがこっそりウィスキーかウォッカかなにかお酒を注ぎ込み、そのうち、パーリー会場では皆が気持ちよくなってベロンベロンになるの、あれみたいなの。もちろん、本作品で注ぎ込まれるのはおクスリなのでワル効果は数百倍であるが。

*これまでは登場人物が多くて誰がどれかを把握しきれなく、ただ悲惨な状態が起こっているな、という感じで観ていたのだけれど、今回は主人公のソフィアデブラ(註1)の女友達が誰か、兄と妹のダンサーたち、妹が付き合っているダンサー、ダヴィッドがスケコマシであることとか把握でき、関係性の崩壊なども理解でき、全体なる悲惨さが伝わる。
*ああいったおクスリだから幻覚が見えるのだろう、デブラは彼女の両手を驚いた表情で見たり、ストッキングのなかに両手をつっこんだりするところ、たぶん虫を幻視しているのだろうけれど、その背景で閉じ込められた男の子のヘンな虫がいるからここから出してと絶叫が鳴るけれど、サウンドとイメージとの掛け合わせ、MVみたいに音(音楽)が優先されることはないけれど、興味ある効果をあげているな、となる。ゴダールが言うところのソニマージュのような。ある意味、本作品は映像も含めて全体的に奏でられる音楽のように思える。

*パーリー会場は無秩序状態であるが、ノエは演じ手に動きを細かく指示し、カメラアイがどう動いて彼らを捉えるのかの秩序立てを行い、長回しで捉えられる無秩序をうまく表す。ノエは時間は不可逆のヴァイオレンスということを表したいのだろうけれど、長回しのショットはそれには効果的である。カメラアイもまたダンサーたちと同じように、コリオグラフィーを奏でる。

*そんなにヴァイオレンスが好きなのなら、ギャングものとかウェスタンなんかもやればいいと思うけれど、ノエ自身は我々の身近にある日常のなかの暴力に関心があるのだろう。日常に潜む暴力を語らしおん。

*ラストの目薬のようにLSDを眼にそそぐ女性のアップ(クロースショット)から雪の白さへのディゾルーヴ、聖性と穢れの二重が溶けあう。

*註1 最近出演作品が多いよね、彼女。彼女以外はほとんどが実際のダンサー、中には映画にも出ていて演技の経験はあるヒトもいるようであるが、基本はダンサーが出ている。冒頭の方のディスプレイに映されるダンサーたちのインタビューはシナリオに書かれたセリフではなく、ほんとにインタビューに答えている彼らの映像である。



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