mixiユーザー(id:2566286)

2023年02月11日16:32

64 view

さよなら歌舞伎町


さよなら歌舞伎町おもしろかった。ラスト、知らずに同じバスに乗ってしまう兄と妹は故郷の塩竈に向かうも、大都会に疲れ切った、、わけではなく、しばらく帰っていなかったから親に顔見せ、友達と会うとか、或いは親に正体を言わずとも次のプロセスに行く前のステップのための帰還とか、ちょっとした小休止のための故郷への滞在であろう、ということ、本作のプロセスに触れる者は、東京の求心力を理解することで思うことだろう。各シークエンスに出来事があっている時間が表され、そのことは結果へと進むプロセスも見せながらも、ひとつひとつの出来事をもみることを託すだろう。東京ゴミ女、はっきりと覚えていないけれど、優しいタッチの作品だったような気がするが、本作もまた過酷を表しながらも優しいセンスである。東北の震災後であることをにじませながら、竹島問題の頃の外国人排斥デモも表され、ある時代の事象の東京にどっこい生きる歌舞伎町の住人たちが表される。コリアンのカップルは故郷ではきっとできないこと、そしてお互い相手にも言えないことを旅の恥はかき捨てろ的にしているし、前述の兄妹は親に言えないことをやって力強く生きており、マエアツは枕営業に向かい、家出少女も身体を売って生きているし、犯罪者の中年カップルは隠れながらもヒッソリではなくドッコイ生きている。エトランゼもいればクリミナルもいれば燻ぶったアオイホノオもいるのである。歌舞伎町は曰く付きの者たちを優しく受け入れてくれる場所。そう、東京の九龍城だ。言われぬ過去をもちそれは現在にも続き、そして彼らはここにはない希望をも見続ける。だから、九龍城やペペ・ル・モコたちが巣食うカスバよりも優しい場所であろう。ペペたちは望郷の念こそあれ明日は分からぬ命、未来を夢見ることはできないが、本作の人物たちは明日を夢見ている。歌舞伎町ゆえ、そこまでのデンジャラス・ゾーンではない。染谷は俺はこんなとこにいる男じゃないんだと悶怒しながらマエアツはギターに今の気持ちをぶつけながら明日を夢見て、韓国人の男女は彼女たちそれぞれの店の実現を夢見て、家出少女と彼女に心動かされる男はここにはない温かさを求めて、ミドルエイジド夫婦は罪からの解放を待ちながら生きている。世の中は過酷だからここにはない夢を見る。劇場空間、作品は此処にない優しさを歌舞伎町に表すのである。兄と妹の会話、「お前AVが初めてか?」「好きな人が初めて。津波で流されちゃった」が響いた。

ところどころ、ヘンな日常- 例えば、フロントマンが彼の首に輪ゴムを巻いていくところ -が表されるが、廣木隆一的なエピソード入れ、いつもこんな感じだったように思うが、こういうところは作品のリズムを遮るではなくリズムとして活きているところよい。
 
ps
映画は見えているところだけが映画的事象なのであり、兄妹はバスでホームタウンに向かうところまでが表されるのだけれど、見て思うことは十人十色だけれど、あれを性欲まみれの都市からの脱出と安泰だと作者がしているのだとしたら、恋愛映画ばかりやりすぎて、不能とボケがはじまっているのかと思ってしまうのではある。(韓国人の男女は韓国に帰ることを約束する、つまり脱出ではある) タイトルからして、やはりそういうことなのかな。。いろんな解釈ができるようにはしているのだろう。



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年02月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728    

最近の日記

もっと見る