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2022年10月30日13:42

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新・碧は尊き-バンマスとばんます- 第二話


  岩里教諭は彼が顧問をしていた軽音楽部の文化祭でのコンサート、淫靡な名前をバンド名に許可したことで、教職を剥奪されもはや教諭ではなく、ただの岩里辰信に成り果てていた。
Ext.
看板に「男性が男性とかなでる性風〇 キンボール・クラッシャーズ」と書かれている店が表される。

Int.
 そのお店の事務所。汗をかきかきハンカチで首後ろ等を拭き拭き、頭を何度も下げてはペコペコしている岩里辰信がソファに座っている。彼の向かいに座っているのは、お店の店長である佐上とサブマネージャーである長岡である。
佐上「とは言ってもねー、(履歴書を見て)えーと、岩里さんでしたっけ、貴方の経歴を見ると、インターハイ優勝、全国学生大会優勝、オリンピック候補、、と、裸一貫からやり直したいって言われてもですね、これだけの経歴、うちでは抱えられませんよ。。それに、うちはジュノンボーイ系が売りの風俗店でしてね、」
岩里「そこをなんとか」
佐上「用心棒ならまだしも、、」
長岡「そうですねー、岩里さん、男性とはどのくらい?」
岩里「高校のとき関心がありました」
長岡「そうですねー、、と言うと?」
岩里「バラ族を盗み読みしました」
佐上「えっ?それだけ?」
  佐上と長岡、顔を見合わせる。
岩里「どうにかお願いします、うちには嫁とふたりの子供がいて路頭に迷わせるわけにはいかないのです。」
  困った顔の佐上。
岩里「(ペコペコしながら汗ふきふきしながら)お店の名前、語尾にズがありますけれど、バンドかなにかが由来ですか?」
佐上「(嬉しそうな表情になって)しばらくバンドやってたんだよ、」
  岩里、ペコペコするとき顔を下に向けた瞬間、ニヤリとする。
田口トモロヲ(Na)「それまで真面目一筋にやってきた岩里である。しかし、岩里は決断する。この道に入ると決めたとき智恵がついたのだ。」
佐上「お宅もやってたの?」
岩里「いぜん軽音楽部で顧問をやってました。」
  音楽のハナシに弾むふたり。
佐上「そうかそうか、(長岡の方を向いて)長岡さん、試しにやらしてみることにしませんか?」
芥川隆行(Na)「晩秋深まるとき岩崎の運命はまさに決まろうとしていたのである。」
長岡「そうですね、、ただし、期間を設けましょう。、、一週間ではどうでしょう、店長?」
佐上「よし、それで決まりだ。」
岩里「(ペコペコしながら)ありがとうございますありがとうございます。」

               一か月後

Int.
 お店の事務所。テーブルに両足を投げ出してソファでふんぞりかえっている、バスローブを着た岩里である。彼は葉巻を指に挟んでいる。彼の横に直立不動で立っている佐上と長岡である。佐上は岩里の葉巻に火をつける。
佐上「この店が成り立っているのは、岩里さまのおかげです。」
  岩里、ギュフフギュフフと、汗をかきかき笑っている。
  彼らの向かいに黒服勢が直立不動で並んで立っている。
黒服勢「岩里さまのおかげですっ」
 壁に貼ってある成績表が表される。岩里はダントツのトップの成績。
店内アナウンス「ポチョムキンちゃんご指名が入りました。」
山田孝之(Na)「岩里辰信。元高校教諭。いまの彼の源氏名はポチョムキンちゃんである。」
 ソファから立ち上がる岩崎。彼は両手で顔を叩き、よっしゃー、と声を張らす。
  一同、彼に礼をする。「行ってらっしゃいませっ」
  部屋から出ていく岩里の後姿を見ている佐上。
佐上「長岡さん、ほんっとなにが流行るか時代が読めないね。」
長岡「そうですね、、ほんとに、そうですね。」
 廊下を歩く岩崎の足音が鳴り響く。ドアを開ける音。
岩里の声「お客さん、コースはなににする?」
客の声「ん−、じゃー、Zで。ポチョムキンちゃん」
  ドアが閉まる音。佐上と長岡はつっ立ている。

Ext. 銀座
  銀座通りを腕を組んで歩いているポチョムキンちゃんと浅見社長。
芥川隆行(Na)「ブラック企業で悪名高き浅見興産の社長、浅見はポチョムキンちゃんを愛人としてかこおうとしていた。しかしポチョムキンちゃんは、僕の自由は僕が決める、と跳ね返したのである。令和4年、麦秋が深まる頃であった。」
ポチョムキンちゃん「(図太い指でなにかを指差しながら)パパ、あれ買って。」
  図太い指先の先にあるもの、それは豚の丸焼きだ。
浅見社長「おーおーよしよし、ポチョムキンはほんとに豚好きだよな。」
ポチョムキンちゃん「ギュフフギュフフ」
 ポチョムキンちゃんは赤ちゃんのように漫勉の笑顔で「ギュフフギュフフ」と
笑う。
田口トモロヲ(Na)「蛇の道は蛇。この道に入ると決めたとき岩里に智恵がついたのだ。」
 ポチョムキンちゃん、百貨店のウィンドウショッピングを指差す。
ポチョムキンちゃん「パパ、僕の嫁にあれ買って」
浅見社長「んー?」
 浅見社長、ウィンドウ内に飾ってあるバッグを見る。いやらしいことに値段のタグもある。
浅見社長「ゼロが一十百、、。1400万円のバッグ、霊感商法じゃないんだから冗談」
 浅見社長、ポチョムキンちゃんの漫勉の笑顔を見る。浅見社長、表情が緩む。
浅見社長「ポチョムキンはほんと可愛いな。嫁さんはわしのライバルじゃが、、まっいいじゃろ。」
 ドスンドスンとポチョムキンちゃん、トイストアに向かって走る。
ポチョムキンちゃん「ふたりの子供には、、」

 バンマスとばんますが少し遠くから、腕を組んでトイストアに入っていくポチョムキンちゃんと浅見社長を見ている。
バンマス「あれは岩里先生じゃないか?」
ばんます「ボクはさほど面識がないけれど、そうさ。」

                      つづく





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