『ほえる犬は噛まない』
教授になりたい男のメガネ顔が、そして父になるの福山の顔とダブって見えてくるときぺ・ドゥナの顔が様々な無垢を表す是枝のキャラの顔に見えてくる。この作品を観てぺのファンになったって言っていたっけ、それとも彼女が出ている作品いろいろでファンになったのかな、どちらにしてもぺの状況認識をまだできずに無垢に状況を見つめる顔は、もちろん空気人形の顔にも、誰にも言えないの子供たちの表情にも、そして父になるの息子たちにも、そして幻の光の江角にも重なってくる。教授になりたい男は、まだ韓国よりも就職難はゆるいのか、そうした日本の福山と違い、格差構造社会で苦しんでいる。しかし、導き手を失った国としては、韓国も日本も、そして世界も変わりない。かつてのオリンピック開催国の大統領は、これはただの風邪だと言って経済優先を導き、2万何千人の死亡者を出している。
ポンジュノは導き手がいない国で、社会批判するでなく社会風刺することで社会派にならず、ムーヴのなかおもしろく愛すべき人々の右往左往を表す、そのように思える。格差構造、家族愛、人間の本質、資本主義の条件がそこに浮かんでくる。若者のデモは小市民の姿、その意識の高さを表したものだろう。しかし、導き手を失った国で誰に、何処に抗議するのだろうか。06年のグエムルにも00年のこの作品にもデモは描かれるが、今もこの意識はあり続けているのだろうか。日本のCMの元ネタとなった紙吹雪とエール、意識に高揚する。
これまで観たポンのテクストのうち3作品。地下に住む狂人はどの作品にも表される。人々の無関心のなか、忘れ去られているもの、或いは無視されているものが表されているのだろう。低予算映画的な、サプライズサプライズなどの演出がおもしろかった。亡くなったおばあさんの手紙に書いてあることや、鍋のふたを開けたらチキン、それらは定石ながらも上手いなとなる。
ひょっとしてタイトルの意味、我々小市民のことを言ってるのかな。
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