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2020年06月06日22:34

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Mommy/マミー



『Mommy/マミー』
ざっくりとカッコーとダルデンヌを感じさせたりもしたけど、いろいろ詰まっていて、でもって、いろんなこれまでの映画の語り口をつなぎ合わせてような感覚があり、それは否定的ではなく、寧ろサンプリングとミクスチャー的に現在的で肯定的に思え、でも等身大に人間を切り取るところはベルトルッチみたいに神話化もさせないし、それにアメリカ映画的なセンスはダルデンヌ兄弟みたいに人間を見つめるみたいな重さも排除する。二人の女性と一人の男性、物語的に解決策はなく、それぞれにそれぞれの生き方しかできない。車での旅行のときに見る息子の成長過程は決して、そうであればという夢としてあるのではなく、ダイアンが希望を持つという彼女の生き方につながるものであり、別れを言いに来たカイラに会うとこ、強がってるとこも気丈に振舞っているのあっても見えても、そうであるという以上に、希望をもつことがそのまま生き方なんだろうな、となる。カイラになにがあったのか私の想像力では分からないけれど、映画の構造的には、彼女の優しい夫と娘がいる日常からの乖離が真向いの家庭にあり、そこに渡ってくる、と思える。カイラの最後の笑み、去り行くヒーローがする感じでかっこよかったけど、と同時に、彼女自身が先に向かうこと、そしてダイアンの生き方を理解してする笑みというものも感じられる。三人三様の志向性をドランは描いていても、ラストのスティーブの走る姿にドランは彼自身の意思を持たせているのだろうと考える。ぶち破りたいという若者らしさ、それはドランが今もつものに在るのだろう。また、このスティーヴという若人、愛したいし愛されたいというこの年頃の普遍性が、そのまま等身大にあるし、そして現在的に魅力的である。おっと思ったのはカイラを最初に招いた夕食後のキッチンのシークエンス。これまでに見たことないようなセンスであり、それでも生活感が匂うという不思議なもので、おもしろかった。




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