90年の新宿、今は歌舞伎町だいぶ変わったようだけれど、私が行ってた頃の数年前の新宿と変わらなかったな。未見の三島のも観なければと思う。浅間山荘のを観たからかなり感動したのかな、『われに撃つ用意あり』である。右の総括と左の総括よりずっと前の右も左もない90年に、落とし前をつけている。運動は消息しシラけた70年代も過ぎ、バブリーの時代の真ん中、右も左も分からない時代の新宿、革命もベトナムもナニも落とし前がつけられていなかった。
けっこうリアルな感覚で、オーディエンスを引っ張っていくのは凄い。山口美也子があのような状況で、どーするのよお、というのはダイハードにはない説得力がある。吉澤健は『龍三と七人の子分たち』ではじめて知ったけれど、若松テクストの常連の方なのか。原田芳雄は鈴木清順や黒木和雄や若松作品という以上に、藤竜也ともども日活ニューアクションのスターのイメージであるが、彼のそうしたサイドを活かしたハードボイルドのこの作品である。ラストの原田と桃井かおりのクロースショット、映画的リアルにとても感動する。いかにもな宇崎竜童阿木耀子のメロディにのった原田が歌う新宿心中も何か感動する。梅津和時の音楽もエキセントリックに酔い。かなり面白かった作品である。
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