あまり期待して観なかったからか、かなり面白かった『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』であるが、とても期待して観たからか、あまり面白くなかった『サバイバルファミリー』である。けれどそれは、笑いの度数的にであり、ドラマとしては面白かった。学習能力的において今時ヒトがこんな状況に陥るとは思えないし、また、こうした状況になったとしても、コミュニティというものがヒト社会には組織化されているはずだから、自治体が何かしらの説明を人々を集めてするはずだと思えるので、こんなカフカなシチュエーション、前提としてありえないと思って観始めたが、結構、観ていくと、登場人物たちの心理状況に連れ込まれていった。最終盤の写真の出し方と「あれだ」という間の置き方も、タイミングの天才である矢口史靖らしさのリズムが上手く表され、或る経験を通して都会も澄んで見えるようなエンドロールもスッと気持ちに入ってくる。劇中音楽をできるだけ避けて、『裸足のピクニック』への原点回帰的なものがこの作品には表され、矢口史靖という作家性に目がいくものがある。けっこう凄い作品なのかもしれないと思った。
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