2015年6月3日(水)
『生きる』(1952年)
黒澤明:監督
日本映画専門チャンネル【録画】
説明不要の名作。
高校1年の時に初めて見た。
ガンで余命わずかと知った初老の小役人が、それまでの無気力を振り捨て、住民のために小さな公園を造りあげるという、とてもシンプルなストーリー。
生きるとはどういうことかと、見る者に問いかけるテーマも分かりやすい。
難解なところがひとつもなく、私のようなボンクラ高校生でも、最後まで見通すことができた。
信念を持って誠実に生きなければと、それなりに感銘もした。
『生きる』を見るのは今夜が2回目。
初めて見た高校1年から、あっという間に、44年の月日が過ぎてしまった。
気がつけば、私自身が志村喬扮する主人公の渡辺勘治と同じくらいの年齢になっている。
高校生のときと異なり、人生2度目の『生きる』は、かなり骨身にこたえる。
44年間を振りかえれば、勘治の通夜で、「俺も明日からは、がんばるぞ!」と、酔っておだを上げてた藤原釜足や千秋実や田中春男たちと、なんら変わりがない。
信念を持って誠実に生きるというのは、なかなか難しいと静かに反省するばかりだった。
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