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2026年01月19日17:38

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名古屋フィル第541回定期〜ブラームスとエルガー��

1.17(土)、愛知県芸術劇場コンサートホールで行われた名古屋フィルハーモニー交響楽団第541回定期演奏会を聴く。

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プログラムは以下の通り。

 指揮 松井慶太

ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
 ヴァイオリンソロ 小川響子

 〜休憩〜

エルガ―《スルスムコルダ》Op.11
同《エニグマ変奏曲》Op.36

◆松井慶太(1894- )
3歳からピアノ、15歳よりオーボエを学び、東京音楽大学は指揮科を卒業。
2008~14年の間、N響定期で、デュトワ,ミョンフン,ソフィエフ,ルイージの公演の合唱指揮を務めた。
2009年、第15回東京国際音楽コンクール〈指揮〉(2024年から東京国際指揮者コンクールに名称変更)入賞。
2024年、名古屋フィル第521回定期でアレクサンダー・リープライヒの代役として指揮を務めた。

〈参〉「名古屋フィル第521回定期� 船屮蕁璽爛后�(2024.3.17記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987190630&owner_id=3341406
「名古屋フィル第521回定期�◆粗A丗隋�(2024.3.18記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987194603&owner_id=3341406&org_id=1987190630

代役依頼は本番迄1週間を切ったタイミングだった。しかも、藤倉大の作品は世界初演。これを見事にこなして松井慶太は大きな評価を受けた。
松井は現在、東京音楽大学作曲・指揮専攻において指揮の特任教授、また、オーケストラ・アンサンブル金沢のパーマネント・コンダクターを務めている。

◆小川響子(1992- )
東京芸術大学大学院修士課程を首席で卒業。
第10回東京音楽コンクール弦楽部門第1位、2015年ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール第1位、2016年ピアノ三重奏団「葵トリオ」結成、2018年ARDミュンヘン国際音楽コンクールにおいてピアノ三重奏部門で日本人団体として初優勝。

〈参〉「葵トリオ リサイタル/アクトシティ浜松音楽工房(改)」(2020.1.21記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974404703&owner_id=3341406

その後、2024年、名古屋フィルコンサートマスターに就任した事はよく知られている。
〈参〉「葵トリオの小川響子、名古屋フィル コンマスに」(2023.11.9記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986308726&owner_id=3341406

今回の名古屋フィル定期演奏会では、その小川響子がブラームスのヴァイオリン協奏曲のソリストを務める事となった。

◆ ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77

ブラームス(1833-97)がこれを作曲したのは1878年、45歳、最も脂の乗った時期である。名ヴァイオリニスト ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)の助言を受けながら作品を仕上げた。初演は同年ヨアヒムのソロ、作曲者の指揮で行われた。
この協奏曲は、当初4楽章で計画していたが、最終的には古典的な3楽章構成となった。が、中身は相当に濃く複雑で転調も多い。これを漫然と演奏したのでは、音楽の骨格が見えてこない。

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ニ長調3/4 ソナタ形式
第2楽章 アダージョ ヘ長調2/4 三部形式
第3楽章 アレグロ・ジョコーゾ、マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ 変則的なロンド・ソナタ形式

重音が極めて多く、しかも9度や10度の部分も多々あって、技術的にも難しい。ヨアヒムが改めるよう忠告したにも関わらず、ブラームスは我を押し通した。
それでもブラームスは、初演後も改定を繰り返し、完璧を期して1879年に出版した。曲はヨアヒムに献呈された。
第1楽章終盤のカデンツァをブラームスは書いていない。いろんな名演奏家がこれを書いたが、現在に至る迄最もよく演奏されるのはヨアヒムのそれである。

小川響子は、音楽の全体像をしっかり把握し、それが音に、演奏に自ずから現れていた。
ブラームスの狙いが隠れたオーケストラの各楽器(殊に木管)とソロのかけあいでは、小川は笑顔で視線を交わし、見事なハーモニーを発揮した。コンサートマスターがソリストを務めるケースのメリットが強く感じられた。
昨年8.9、同楽団の「没後50年ショスタコーヴィチ・メモリアル」でも、コンサートマスター(荒井英治)が協奏曲のソロを務めた。
〈参〉「名古屋フィル、スペシャルコンサート」(2025.8.11記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990500636&owner_id=3341406

小川は、骨太の表現でいながら、第2楽章冒頭、オーボエのあとを継いで歌うアダージョの旋律の美しさは得も言われぬものだった。また、第3楽章のロンドのジプシー風テーマは実にリズミカルで、聴いていて体が自然に動いた。

大きなブラヴォーの声に応え、小川はアンコールにバッハの《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調》BWV1005より第3楽章ラルゴを心静かに演奏した。

(続く)
 
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