沈黙の夜おもしろかった。シネラのトルコ映画特集での上映。以下ネタバレあり。至上の掟は冒頭が印象深い映像だったけれど、その後は何かテレビ映画っぽいとこもあったけれど、こちらは全体的にとても映画的な作品だった。サウスバウンドにおいて夫婦は、「国家」のために生きるものかと国外にダッシュつするが、この作品での主人公は地域社会の掟から出れぬ人生を送る。女の子である新婦は初夜を避けようと物語を語れやあれこれ注文をする。初老の男の新郎は彼女に初夜を行うよううながす。喜劇仕立てであるが、この先どうなるかの予想はできぬも、そうなるのか、やはり、とラストは納得してしまう。日本の世俗的認識で見ていて勘違いしてしまったけれど、14歳の女の子の初夜において、初老の男性が若いのがいいと思ってるの描かれているのかと思えば、さにあらず、イスラムの掟で、あてがわれたらそれに従わなければならないことの不条理がそこにある。掟という、人を支配してしまう不条理。妻になるにはまだ早い女性。女の子だけではなく、男もまた、その不条理に悩んでいるのである。社会のルールを破ったから母を殺せと言われ従い、二十年の服役を終え出てきたら、今度は原因を生んだ敵を殺せと言われ、殺したらまた服役。冒頭の村の主、まるでゴッドファーザーのようないでたち、なるほど、そう表象されているのか。絆の名誉のためよくやった、あとは名誉を保つ生活が約束されると、結婚と初夜の場へ。世界中のほとんどの男性は名誉のために生きようとしているだろう。それで、戦争も絶えないこともある。それで、そこから外れたらおかしくなる人もいる。人生を名誉のために使ってしまう、それを誇りに人生を終わらせる人もいるだろう、そしてそうではない人もいるだろう。シンプルに描かれるがゆえ、そのことシンプルに伝わる。
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