☆この作品でルーラが言う、心の内にあるワイルドさが世界を残酷にさせる、ということ、そしてここではマッチに火がつくショットであるが、それとリンクするような、イノセントであればあるほど火がつきやすいというツインピークスのセリフ、こうしたものって思えば、リンチが彼のテクストでずっと表してきているものだな、となる。善い魔女が言う、そのワイルドネスを夢を描くことにつなげて、というのも、ブルーベルベットのコマドリをはじめリンチのテクストにおいて解決策として表されているものである。
☆最初に観たとき魔女が天から降りてくるので、映画ってなんでもやっていいんだと眼からうろこが落ちたけれど、ミクロの決死圏のような夏休みの課題的なサイエンスフィクションではなく、ヒトの意識に入って銃撃戦まで繰り広げるインセプションや突然皆でミュージカルするマグノリアのように何でもアリのドラマ映画がありまくるナウではさほどサプライズではなくなってきてはいる。むしろ、広大な土地、プレスリーやドロシー、ロックンロールでリアルなアメリカを視て聴き感じさせるシュールレアル、超現実とは人が気が付かないものを掴み取るだけではなく、こういうことでも野生の眼はあるのだ、とも思わせる。やはりリンチはミロと同じように、シュールレアルを描くのだな、となる。
☆スモールタウンで繰り広げられるブルーベルベットとアメリカをフロンティアに駆け回るこの作品は対として在るのだろう。
☆ニコラスケージの結婚生活のためストッキングをかぶり強盗を働く姿はコーエンズの赤ちゃん泥棒をリンクさせたりするけど、アメリカをドライブするディーンスタントンはパリテキサスを観たい気持ちにさせ、JEフリーマンはミラーズクロッシング(リンチはコーエンズが好きなようであるからこの作品があるからオファーしたのかな)を、ダイアンラッドはアリスの恋での主人公を励ます友人ダイナー・ウェイトレスを観たくなってくる。
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