『さくら隊散る』
なんの知識ももたずに、もたなすぎだが、観る。特攻隊の話なのかと思って見始める。も、いきなり広島ドームのアップ、部分的なクロースショットのティルトアップ、でかなり衝撃をもつ。若い時分は知識だけあるだけで、昔ヒドいことがあった、というような距離をもった見方で歴史を、それも対岸の火事的なものの見方だったけれど、今は以前よりかは身近に感じられるようになっている。と思う(いや遠くにあって決して身近なものではない)。当時を知ってる方たちが少なくなっていること、それはある意味、恐怖に近い。そうした感覚を持つ。熱い熱いと言って死んでいった人たちがいたこと、いたたまれない。フィクションの部分、歩いてくる人たちからパンして原爆跡の広島の写真へ、それからの会話、それもショートカットして筋を表すかのような会話、そうしたフィクションなものだけれど、証言としての生の言葉との相対性に在り、そして自然に結びつき表し、生々しくも浮き上がるものがある。築地小劇場の歴史も垣間みえてくる。或る出来事があったのだが、フィルムは地続きにあることを今ここに存在せしめる。広島ドームのエスタブリッシュ・ショットはやはり、とても証言する。
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