妄想少女オタク系おもしろかった。頭をフル回転させてつく嘘を真実だと信じ込むアオイホノオの焔燃、もちろんそれゆえ、嘘をついているという自覚はこれっぽちもない。もはやトランプである。それと同じように、本作の主人公は妄想の世界に住人として存在し、現実を見ることができていない。こっちは女子だから可愛らしい。勘違いパターンの邁進タイプのコメディ、けっこう笑わせてもらう。されど、笑ってばかりもいられない。ヒトを傷つけることの酷さ突くことも表される。新人類が出現したエイティーズから、「わかりあい」と「ビジネスライクなつきあい」との間にあるような「共振」的コミュニケーション、いわゆる「ノリの共有」が広がったと言われるが、現在の「共感」はコンプライアンス世代的なもので、共振に抗う乃至相関するものかと思うも、さにあらずであり、共振からの延長線として在るものか、となる。前観たのの記憶では、或るセカイ系に浸っている主人公が彼女の知らない世界と遭遇し入り込まざるえなくなり、脳回路がショートしてしまうものかとのメモリーもあり、そうした部分はありつつも、むしろそうではない、私がモテてどうすんだと同じようにヲタクのヴィクトリーで終わるな、となる。ボードリヤールはシミュラークルも環境、社会、都市だけではなく、脳内にも奥深く症状として侵犯する悲しい資本主義の悲しい末路、ないし効果的加速主義の達成かと思うも、そこにはちゃんとした利他主義の発芽もあるな、となる。また、通過儀礼的なものも夏休みのなかに、冗長的ではなく、しっかりとして描かれ、なにか永島敏行なんかが出ていたセヴンティーズの青春モノと同じような感じが表され、ヒューマニティーもしっかり刻印されている。想像はむしろ世界を豊かにする。
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