アンダーカレントおもしろかった。ヒューマンドラマというよりはミステリーでありサスペンスである。なぜ苗字で兄だと気付かなかったのか、なぜそんな大きな出来事なのにうっすら忘却の彼方にしてしまっているのか、と思うも、両親が離婚して母に引き取られ旧姓になったのかもしれないし、大きな出来事ほど封印し無意識に閉じ込めてしまいがちになるのかもしれないし、フシギだ〜〜〜〜、と、そういうことでミステリーでありサスペンスであると言っているわけではない。主人公の最終盤の驚愕の表情、あれは深夜の告白に対する以上の恐怖が表されている。ミステリーやサスペンスというより以上にホラーである。コワっ。主人公は人間の不可思議な謎を追っている。無意識に在る流れ、それが最終盤そしてラストは遂には溢れ出る。それにしても、あまりにも濁流的でゆったりとして流れである。他者の本当の姿だけでなく自身の隠れた意識、ほんとの顔とは分からないものということを、なぜにこれほど時間をかけて表わしているのか。特に休日のカフェで出会う夫婦と町から出ていこうとしている男のクライマックス・シークエンスである。でも、きっと、丁寧すぎるぐらいにして気持ちを丁寧に丁寧に描いているのであろう(原作漫画もそうした構成なのであろう。ところで、瑛太の言っていることとアクトおもしろかった)。それもまたフシギだ〜〜〜〜。今泉力哉は意図しているかどうかは分からないが、欲望というものにとても関心があり描いているのではなかろうか。愛がなんだにしてもサッドティーにしても今泉テクストほとんどにはそれが溢れ返っているな、と本作を観ながら思えてくる。ラストシーンに表されるものはその後の後日談というよりかは、人間の執着という本能の本質であろう。
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