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2023年06月28日11:43

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赤い天使


赤い天使おもしろかった。芦田伸介によって体現された軍医の、負傷者たちの足や手を切るときの心情がその切る音と重なりながら、悲惨なる状況をキリキリとイメージ届ける。若尾文子によって体現された看護師の、その無表情に人形のようにとる表情と所作は無垢を戦場に拡げる。両手のない川津祐介に彼女がとる行為、これは献身をもって相手を拘束することになるのか、と思いながら観ていくと、ひとつで後の盲獣へ、もう一方で若松孝二へと後のキャタピラーに遺伝されるのか、となる。若松においてはキャタピラーの以前からそうした歪さ生まれているのであり、増村自身においては、初期の社会機構批判やりつつも軽やかに爽やかあるもの、それが歪へと変化するもの、盲獣や卍、清作の妻などで驚いたけれど、されど社会に向けた怒り、ベースにあるものはきっと常にあるものあり、とも感じられる。本作品続けて観ていくと、遊びや曽根崎心中のイメージが頭によぎり、マスムラは性の追求をしているのか、と理解してくる。性と不能、それがある。川津のエロティシズム、なるほど、だから加藤泰の陰獣でのキャストもありなのか、となる。川津の不自由さ、芦田のインポーテンツは奔放な性を制御するもの。システム社会が不能を生む。プログラム社会が自由を奪う。若尾の無垢はその無垢な表情ゆえに、何事も受け入れるように思えてしまう。無垢が無垢であるがままに、汚い戦場を拡がる。システムは続いている。我々はまだなにも知らない。




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