『バード』
前半はフラストレーションの塊と阿片窟の住人のようなバードが表わされ、安定して楽しい雰囲気は中盤のディープサウスでの演奏旅行のみに表わされ、そして終盤での不安定な情緒に快楽してくる。かすかな記憶、『ジャージー・ボーイズ』ってイーストウッドのテクストのなかでは他のとイロが違うなという感覚であったが、『バード』に表わされるモンタージュ、そこに潜在する不安定と確執のイマージュと同位のものであること気付く。
全体的な不安定な情緒のイメージに、天才/伝説、人間の弱さ、愛くるしさ、葛藤確執、ホームを(持つことが出来なかった、というより)持つことを拒否するかのような孤高、がバードに表わされている。イーストウッドらしいものが、いつもの彼とは違ったフォルムに表わされる。
ハリウッドでの売る目的にストーリーテリングの分かり易さがありイーストウッドはそれを信条とするところあろうが、『ジャージー・ボーイズ』はまだ分かりやすさあっても、『バード』の時空間、天才の不安定とリズムを合わせるかのように表現される。この不安定な情緒を表わすかのようなモンタージュ、めくるめく記憶としてのイーストウッドでありながらにして異なるものである。
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