ラストのあの道のショットはエスタブリッシュショットの高速道路と同じようなコンポジションだけれど、日常への回帰、というよりはアメリカ映画らしく目的の成就ということが表わされているのだろう。ペインのテクストは今までも常にそうだったと思う。その成就はほのかな喜びに満ちている。
メモ
◆『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(Nebraska;2013)
★ ラストのトラックが帰っていく道のショットと、エスタブリッシュショットの高速道路とのコンポジションの同位性。
★ ペインのテクストをはっきり思い出せないながらも、心になにか残るのは、ホンワカしたムードにいきなり表わされるような残酷さ、そうした印象を持つが、このテクストを視て聴き感じ、そこから遡ってみえてくるものは、平凡な日常とは実は情けないものであり、ペインのテクストは日常の化けの皮を剥がすような残酷性をいきなりと表わすのである。
★ 旅のプロセス、いきなりはジンワリと浸透していく。情けなく過酷ながらも、家族としての人生、ヤンワリと喜びに充ちていることを、人は知る。
★ アメリカンドリーマーの夢は、儚いものなのではなく、その人が生きてきたものの威厳の痕跡として確かに在るものだ。人はそうした道を知らずとも歩んでいる。今此処をペインは痛みを伴いながらの喜びを、人生という道に跡づける。いきなりをホンワカした流れのなかで感じている、私たちはそのことを知るのである。
★ ブルースダーンはジョンウェインの時代のアメリカ映画では若造をやっていたり、アメリカンニューシネマでは複雑な役を演じていたり- 私的には、『ザ・ドライバー』のディテクティヴがよい -、アメリカ映画の生きた歴史みたいになっているけど、彼の演技もよかったけれど、こうした役と彼が出会えたこともなんとなく嬉しく思える。
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