『北北西に進路を取れ』久しぶりに観る。よかった。
『アパートの鍵貸します』久しぶりに観る。よかった。
メモ
『北北西に進路を取れ』
広告マン。キャプラなどに表わされるように、かつてはウォール街や弁護士や議員が花形だが、いまや広告屋- 現代にも通じるそれはこのアラウンド シックスティーズに始まっていた -。
ラグジュアリーなホテルや豪華列車、パノラマな観光地が、合理社会のアメリカを表わす。
シャレードに表わされるような陰謀のプロットへ志向するではなく、恋愛関係から起こるエモーションや齟齬に重きが置かれる。
その過程でのハラハラドキドキ。ヒッチコックは国際問題に繋がる陰謀なんかどうでもよくて、男女間に生まれるエモーションを表わしたがっている。『レベッカ』もストーリーなんかどうでもよくて(正直、ハナシはメチャクチャで)、エモーションを表出する。北北西に表わされる三角関係、これがヒッチコックが表わすものである。
古色蒼然としたイギリス人と、プラグマティズムなアメリカ。そうしたコントラスト、たぶんヒッチコックは誰でも安心しきって頼ってしまうグラントだけに思い入れをしているのではなく、古色蒼然としたイギリス人メーソンにもそれはあるはず。
ナショナリズム。
『アパートの鍵貸します』
危険は隣合わせ、ワイルダーは常にそれを表わしている。シャーリーマクレーンを愛するレモンも危険を愛しているし、クーパーを愛するヘップバーンもそう。バーバラスタンウィックを愛するフレッドマクマレーもそう。こいつを信用してはアブない、しかし、危険だからこそ官能がある。ワイルダーは常にそうである。
彼女が自殺未遂した後のレモンと上司の電話での会話。上司んちはクリスマスの白、そしてバクスターのアパートは黒。そのコントラスト。危険と隣り合わせの日常、合理性あるアメリカに表わされる。
会社での紳士な会話のなかに潜むエロ。紳士協定のなかの矛盾なシロクロ(グレーでは決してない)。それが合理性というもの。奥行きある構図もまた、リレイショナルなもの表わす。西部劇が出ちゃグランドホテルを汚したり、CMが汚したりと、そうした形でテレビが出てくるけど、それに対抗する大きなスクリーンは奥行き表わす。その奥行きには会社システムのラグジュアリーな合理性と、その裏に見えるものが表わされる。
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