ウクライナの敗北は１０月５日に事実上の確定。

戦争は、降参すると、どうなるの？
講和すると、どうなるの？
誰も、ちゃんと考えないんだね？

ロシアの「第二戦略目的」は、独立させた「ドンバスの二つの共和国」を、ロシア領土に併合して、ロシア国内の「自治国」にすることだ。じゃあロシアは、どうすれば、この目的を達成できるんだ？

「相手が降参すれば、好きなだけ領土を奪っていい」の考え方なら、簡単な話だ。とにかく徹底的に攻めこんで、相手に「降参」と言わせればいいんだもんな？

「武力による現状の変更は許されない」の言葉を、日本のメディアは「戦争を始めてはいけない」の意味だと思ってる。その理解だと、こうして戦争が始まった場合、「あ〜あ、戦争を始めやがったよ。バカだなぁ」とバカにしてるだけ。「プーチンは頭がおかしいんだ」と誹謗中傷。あげく、「ロシアのような大国がワガママ放題にやると、誰も止められないんだあ」と、世界中の国家元首が無能だらけだと言わんばかり。

逆に考えてみれば？
「戦争を始めるのはいいけど、降参した国から領土を奪うのは、世界中が許さない」と。
するとロシアは、負けたら当然に領土を奪えないけど、勝っても奪えないんだぜ？
じゃあどうすればいいんだい？

だからロシアは「へルソン、ザポリージャ、ドネツク、ルハンシク」の４州で「ロシア併合の住民投票」をやったのさ。「クリミア」が含まれてないのは「とっくに併合している」からだ。そして、このことから逆に言えば、ここまでにウクライナが降参していれば、この４州は「返さないとならなかった」ってことだぜ？

併合手続きの「開始」の発表が９月２１日で、「完了」の発表が１０月５日。
「手続きをやるぞ」と公表してから、約２週間もあったんだ。
この間に、「もはやこれまで」とウクライナは降参しちまえばよかったんだ。
そうすれば４州を「戦後処理」で取り返せたんだ。
なのにウクライナは降参しなかった。
なぜだ？

だって、その直前に「ハリキウ州の奪還」だろ？「いけるぞ。武力で取り返せるぞ。反転攻勢だ！」とわめいているときに、「降参」を考えられるほど、ゼレンスキーは軍略を理解してないわけだろ？

ロシア系住民の多くない北部のハリキウ州ひとつを「捨てる」ことで、ロシア系住民の多い南部の４州をかっぱらったロシア。こんな初歩的な「引きワザ」に、まんまと引っかかったウクライナ。これでもうロシアは「目的の達成」で、あとは「終わり方」の問題だけだ。ここから先は、ウクライナが降参しても、ロシアは何も損をしないんだからさ。

今度は「無条件降伏」に追いこんでも、ちっとも構わないってことだぜ？