映画日記『激怒』

２０２２年１０月４日（火）

『激怒』（２０２２年）
監督：高橋ヨシキ
駅西・シネマスコーレ

舞台は日本のとある地方都市、主人公はその町の警察署につとめる深間という暴走刑事。
深間は、かつて立てこもり犯をフルボッコしたあげく、そのあおりで犯人の母親を死なせてしまった。
怒りと暴力をコントロールできない深間は、アメリカで治療を受け、３年後に帰ってきた。
しかし、帰ってきた町は、犯罪のない「安全・安心なまち」をスローガンに掲げた自警団が仕切る町になっていた。
しかし自警団とは名ばかり、その実体は目障りな町のはみ出し者たちを、よってたかっていたぶり、しまいには火をつけて殺しているような連中だった。
自警団と、彼らのバックにいる傲慢な町の権力者、そして彼らとグルになっている警察署長たちの悪行に、ついに深間の堪忍袋の緒が切れた！！
激怒する深間が、金属バットで「安全・安心」野郎たちを血祭りにあげていく・・・・

デザイナーで映画ライターの高橋ヨシキが企画・脚本を手がけた長編映画デビュー作。
ほとんど中学生の妄想みたいな話だが、よく言えばとてもピュア。
撮りたいことがハッキリしていて、爽快だ。
高橋ヨシキ監督の目には、いまの日本がこういう風に見えているのだろう。
私も基本はボンクラな中坊（もう死語かな？）なので、イイゾ、イイゾ、もっとやれやれと応援したくなる。
入江悠監督の『シュシュシュの娘（こ）』（２０２１）同様、映画ぐらいはどうにもならない現実を粉砕して欲しいものだ。
オープニングタイトルがメチャメチャカッコいい。
色づかいや、ときたまハッとするショットがある。
次回作が見たい監督だ。