2022年6月14日(火)
『仮面 ペルソナ』(1967年)
監督:イングマール・ベルイマン
今池・名古屋シネマテーク
失語症になってしまった女優が、転地療法のため、付き添いの若い看護婦といっしょに海辺の別荘へやってきた。
看護婦は献身的に女優の世話をする。
そして、言葉を発しない女優にかわって、朝から晩まで感情豊かにしゃべりまくる。
女優は厭うことなく看護婦の話に耳をかたむけるのだったが・・・・
昨日の『沈黙』同様に、こちらも見るのは2回目だが、あいかわらずよく分らない。それなのに、実験映画みたいな冒頭から見入ってしまう。
女優役のリブ・ウルマン、看護婦役のビビ・アンデショーン、ふたりの女優が火花を散らす。
それまで献身的だった看護婦が、突然女優にいじわるを始める。
その豹変ぶりを、ビビ・アンデショーンが大袈裟な芝居でなく、かすかな視線の変化だけで演じていた。
セリフがないこともあって、『秋のソナタ』(1981)でイングリッド・バーグマンをこてんぱになじり倒したリブ・ウルマンが、本作ではビビ・アンデショーンからやられっぱなし。
ひとり息子のいるリブ・ウルマンにむかって「ほんとうは息子が邪魔なんでしょ。あんたなんか、母親失格よ」みたいなセリフをビビ・アンデショーンが憎々しげに言い放つ。
『秋のソナタ』や昨日見た『沈黙』もそうだが、容赦なくグサグサと突き刺さるセリフを次から次と思いつくものだと、感心する。
グサグサと突き刺さるセリフに、観客である私ですら、自分の過去をふり返って胸が痛くなるのだから、やっぱりベルイマンはすごい!!
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