本●「時刻表2万キロ」(角川文庫)
宮脇俊三:著
読了。
来月に予定している北海道のJR線乗りつぶし旅行を今から盛り上げようと、敬愛する鉄道紀行作家・宮脇俊三の「時刻表2万キロ」を読んでいた。読むのは今回で4度目のはず。
何度読んでも飽きないのと同時に、毎回発見がある。
それは、宮脇俊三が未乗区間の奥羽本線の鷹ノ巣から枝分かれする阿仁合(あにあい)線に乗ったときのことだった。
阿仁合線は秋田県にあった。
鷹ノ巣発15:26の阿仁合線比立内(ひたちない)行き三両編成は、下校時に重なったのか男女の高校生でいっぱいだった。
結局、宮脇俊三は座ることができなかった。
しかし、これが幸いした。
車中に立って、あたりを見回すと美人が多い。
“女子高生のなかには、いまのうちに東京へ連れて行って磨いたら、さぞや、と思われるのが何人かいて、人買いのような心境になった”
と書き記している。
さらには、
“ある人の話によると、この先の大館(おおだて)の近くには全村一人残らず美人という村があるそうで、その人は忘れたのか故意か、どうしても村名を教えてくれなかった・・・”
と続く。
このくだりを読んで、「あれっ?」とおもった。
宮脇俊三の別の本でも秋田美人の話がでてきたが、鷹ノ巣や大館ではなかった気がする。
さっそく、彼の「最長片道切符の旅」を本箱からとりだして、秋田県に乗車したときのページを繰ってみた。
そこには、こうあった。
“城下町角館(かくのだて)は秋田美人の多い所とされるが、たしかにきれいな女子高生が多い。外が寒いので乗ってきたときは顔が赤く、野暮ったいが、そのうちみんな色白になる。もっとも、まだ美人以前で、ゆで卵みたいな顔をしてる”
ゆで卵みたいに白くてつるつるした肌の女子高生かあ。
さぞや、きれいなことだろう。
それはさておき、時刻表の路線地図をながめたら、鷹ノ巣と大館は近くだが、角館は同じ秋田県内でも大きく離れているではないか。
はたして、秋田美人のメッカはどちらなのだろう。
ところが、その路線地図で、私はとんでもない発見をしてしまった。
大きく離れている鷹ノ巣と角館を、秋田内陸縦貫鉄道という第三セクターが結んでいたのだ。
まあ、「とんでもない発見」と、偉そうにいうほどのことではないが、おもわず「おおお!!」と歓声をあげた。
さっそくダイヤのページを開いた。
今は鷹ノ巣発16:28の普通列車に乗ると角館に19:00に着く。
ということは、鷹ノ巣で帰宅部の女子高生と、角館あたりではクラブ活動帰りの女子高生と遭遇するチャンスがあることになる。
翌日は逆方向で角館発6:30に乗り、鷹ノ巣着8:47。
こちらも通学の時間帯だろう。
その後は大館方面の美人村探しだ。
北海道の乗りつぶしより、秋田の美人探訪のほうが断然面白そう。
でも、旅行予定の7月、8月といえば、学校が夏休みだ。
もう、がっくり。
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