76年最終シリーズとなるかち「闘魂シリーズ第2弾」は10月29日福生市民体育館で開幕。
前半戦のエースを務めたのはサンフランシスコの帝王パット・パターソンでした。またAWAルートから新日本プロレスに初参戦となる北海の獅子王ラリー・ヘニングがシリーズ全戦に参加しています。
パターソンは73年12月の「闘魂シリーズ第2弾」にジョニー・パワーズと組んで北米タッグ王者チームとして来日しており3年ぶりの来日でアメリカで売れっ子だった為来日間隔が空いています。
パワーズ&パターソン組はNWF世界ヘビー級王者であったパワーズの方が新日本では格上の扱いを受けていましたが、実際には実力もアメリカでの実績もパターソンの方が上でした。
パワーズは五大湖地区とカナダの一部で興行を開催していたローカルプロモーションNWFのオーナー兼エースレスラーに過ぎず残念ながら全米での知名度は低かったと言えます。
タイガー・ジェット・シンもそうですが初期の新日本プロレスはアメリカ、カナダではアウトロー的立場にある外国人選手が多数来ていました。
開幕戦でパターソンはアントニオ猪木とシングルマッチ60分1本勝負で対戦しキーロック、足4の字固めといった「ねちっこい」レスリングで猪木を圧倒して見せ、12分22秒、両者リングアウトの引き分けに持ち込みました。
ヘニングはリッキー・ハンターとのタッグでストロング小林&木戸修組と対戦、3本目にヘニングがS小林から「アックス」と呼ばれたラリアートの原型と言えるクローズラインを見せて決勝フォールを奪い2-1で勝利を飾っています。
このシリーズ、坂口征二が前半戦に不参加で南アフリカ共和国に遠征しています。
モハメド・アリ戦で7億円とも9億円とも言われる負債を負い、NET(テレビ朝日)に借金を肩代わしてもらった新日本プロレスは猪木がシリーズオフに海外遠征に出て、外貨を稼いで来なくてはならなくなりましたが副社長の職についていた坂口もシリーズを休んでの海外遠征に出かけました。
10月30日(現地時間)ヨハネスブルグ・ウェンブリースケートセンターでジャン・ウィルキンスを破りEWU認定の世界スーパー・ヘビー級王座を獲得しています。
坂口の南アフリカ共和国遠征にはカール・ゴッチがセコンド兼トレーナーとして同行しています。
11月12日京都日本正武館からイワン・コロフが特別参加し木戸をカナディアン・バックブリーカーで撃破。元WWWF世界ヘビー級王者の実力を見せつけました。
坂口は11月13日(現地時間)ヨハネスブルグでウィルキンスのリターンマッチを受けて敗れ、王座を明け渡して帰国しています。
11月19日寝屋川市市民体育館で猪木はパターソンとシングルマッチの再戦を行い、苦戦しましたがパターソンのキーロックをエビ固めに切り返して10分9秒、エビ固めでフォール勝ち。
シリーズ最終戦の12月9日蔵前国技館で猪木と再戦を行うウィリエム・ルスカが会場に現れて客席から試合を観戦。ルスカの隣で何やら耳打ちしていたのはつい1週間前に坂口の南アフリカ共和国遠征にセコンドとして同行していたゴッチでした。
ゴッチは弟子である猪木と敵対するルスカのコーチを務めることになった訳です。
「ゴッチが猪木の敵側に回る」のはかなりインパクトが強かったです。
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