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2026年09月04日15:42

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許されざる者

☆許されざる者(Unforgiven 1992; クリント・イーストウッド) 

  *師匠モリコーネの名もなき男から受け継いだ『荒野のストレンジャー』と『ペイルライダー』のぼやけた輪郭のゴーストたちよりもはっきりしたボディを持ち、そして老いによりさらにクリアに人間してみせ(ただし、ゴーストを完全払拭しているわけではない)、大先輩ジョン・フォードが表した”伝説”を用いつつも亡き妻がなぜ彼を愛したか、真実の尊さを本編を通じてより現前せしめてみせる。ブラックアメリカンやネイティヴ・アメリカンといったマイノリティや重課税でアメリカを苦しめたイギリスを気取り屋と皮肉る(ただし、イギリスを完全否定しているわけではない)といった表象性が強いきらいはあるものの、ハリウッドはイメージをこんなにも真実にしてみせるんだぜが素直に届けられる力強さが本作品に湧き上がるゆえに、そのあざとさもかすんでしまう。そしてなによりも、マルパソにもうひとりの師匠であるドン・シーゲル(本作品はクレディットにも表されるようにシーゲルとモリコーネに捧げられている)を招いて以来多様に表現してきた”クリント・イーストウッド”をハリウッド太古から育むヒューマニズムをとても上手く溶け込ませビル・マニーをハリウッドという聖地に誕生させたことがイーストウッド、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにまさに値するのである。最終戦のマニーの登場の仕方、かっこよかった。

  *女性を非道に扱う奴らは許されざる者たちであるのは勿論であるが、ジーン・ハックマンによって具現化された保安官からすれば賞金稼ぎや無法者、すなわち銃でヒトを殺す者たちは許されざる者たちなのである。今回の観賞ではそれが等身大のアメリカを感じさせ、おもしろく感じられるのであった。ジーン・ハックマンの上手さゆえ、良き隣人も権威を振りかざし怒鳴る役人も名誉欲を欲しがるひょうきん者もどれみふぁそらしどれもこれも使い分けながら表現せしめ、オスカー受賞納得となる。

  *ハリーポッターの校長先生だけでなく60年代は怒れる若者、70年代は人々を救済する(ヒーローではなくもっとリアリズムを生ませる意味での)リーダーを演じてきたリチャード・ハリスが唐突にショッキングなシーンに巻き込まれ驚くも、よくよく思い出せば、リンチ(デヴィッドではない。私刑の方である)はイーストウッドの師匠モリコーネ譲りの定番であり、落ち着けば、なるほど、となり、ましてやハリスはシェークスピア劇も演じられるツワモノ、気取り屋と反骨心とプライドを上手くブレンドしてデュークを表現できている。いま気付いたけれど、まてよ、デュークってジョン・ウェインの愛称だよね?イーストウッド、西部劇の大スターを持ち出して西部劇クラシックを揶揄するいじわるをしているのかな、、考えすぎか。

P.S.
高倉健さんではないけれど、本作品は一言でいえば、「男とは?」が表されていたのかな、、、





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