『罪物語』(Dzieje grzechu / The Story of Sin 1975; ヴァレリアン・ボロフチク)おもしろかった。愛に一途、というより愛にとち狂った女性の冒険譚。エディティングが軽妙だからか、女性ヒーローのアドヴェンチャーの風情がある。実際、ワルシャワからウィーン行ったりパリ行ったりイタリー行ったりヨーロッパを股にかけたり、汽車から飛び降りたり、はとてもアドヴェンチャーな感じ。だけれど、中身は愛を追う女性の無軌道な人生物語で破滅へ向かう。主人公の美の魔力か、彼女自身は男性たちから翻弄されるも、彼女自身が男性たちを翻弄させもする。たしかに彼女自身が誘惑もする。一途でありながらも道草で男を喰う。そうこうしながらの波乱の人生、罪とは誘惑のことか?たしかに、冒頭の司祭が受ける懺悔(でも主人公である彼女は司祭に自らの罪を懺悔をしていないこと、後の彼女の母親との会話で分かる)で、彼女が持つ魔力を気を付けること言われる。彼女自身が罪であり、それゆえのThe Story of Sinなのかな。当時の社会主義国家ポーランドで、ヌーディティもあり内容もインモラルなのは規制があって公開とかも困難あったのではないかな。だいたい当時は専制国家ないし社会主義国家で自由主義国家で開催される映画祭やクリティックから注目されるテクストつくるヒトは、ポランスキーにしろタルコフスキーにしろその他さまざまにせよ、パリに移って映画製作活動をしているけれど(全部が全部そうなのではなく、国内にとどまって映画テロリズムを繰り広げる映画作家ももちろんいる。映画テロリズムとはいっても、その国にとってのそれを言うだけでしかない)、パリで没したボロフチクもまたその仲間のようである。
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