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2025年04月04日07:33

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【特別編】マイティ井上さん追悼(71)

85年全日本プロレス「世界最強タッグ決定リーグ戦」第9戦、12月1日日曜夜の後楽園ホール(観衆3,000人超満員発表)ノーテレビ大会。

マイティ井上はタイガーマスクと組んで今シリーズ試合初出場となる剛竜馬&2度目の出場となる高杉正彦組の国際血盟軍と対戦、9分9秒、タイガーマスクが高杉をジャーマン・スープレックスホールドでフォールしています。

出場選手が多い中、剛、高杉はなかなか試合を組んでもらえません。

メインイベントは公式戦、全日本対国際血盟軍頂上対決、鶴田&天龍源一郎組とラッシャー木村&阿修羅・原組の対戦。2連覇を狙う鶴龍コンビとしては国際血盟軍の反則暴走を誘って勝ちにいきたいところでしたが…。

11月27日の札幌大会で腰を負傷、翌28日の旭川大会を欠場、29日の函館大会から復帰した天龍の腰にダメージが残っていました。国際血盟軍はそこを見逃さず、痛めている天龍の腰を集中攻撃。

天龍と原の攻防で、控えのR木村がイスを持ち出してリング内の原に投げ入れ、R木村がレフェリーの注意を引いている間に原は天龍の腰をイスで一撃。たまらず天龍は場外へ転落。これを追う原。

場外でR木村と原が2人がかりでダウンしている天龍の腰をイスでめった打ち。慌てて鶴田が救援に入りましたがR木村がこれを阻止。試合権利のある原がリングに上がりましたが天龍は場外でダウンしたまま立ち上がれず。16分12秒、原が天龍にリングアウト勝ちで国際血盟軍が番狂わせと言っていい勝利。R木村&原組は大きな勝ち星を挙げて失点4の4点。鶴龍コンビは初黒星、失点3の5点となりました。

セミファイナルは夢のシングルマッチ、ドリー・ファンク・ジュニアとスタン・ハンセンの対戦。体力的に分が悪いドリーはハンセンのパワーの前に苦戦し場外へエスケープ。ドリーを追ってハンセンも場外へ。ドリーを柵に投げつけ、コーナーの鉄柱に額を打ち付けます。さらに場外マットの上でボディスラム。リングに上がろうとしたハンセンですがドリーが足を引っ張ってこれを妨害。9分35秒、両者リングアウトのドローに終わっています。

公式戦外の試合ではセミ前に長州力&谷津嘉章組が12月7日山形県体育館での公式戦を前にハーリー・レイス&ジェシー・バー組と対戦、11分55秒、長州がバーをリキラリアットからの体固めで降しています。しかし曲者レイスは前哨戦は敢えて好きなようにやらせ、長州&谷津組の必勝パターンをジックリ見ていたかのように思われます。

馬場&ハル薗田組はニック・ボックウィンクル&カート・へニング組と対戦、8分40秒、カートがコーナーポスト最上段からのミサイルキックから薗田を片エビ固めに決めてニック&カート組の完勝。

ハンセンがドリーとドリームマッチで対戦した為、パートナーデビアスは大熊元司とのシングルマッチが組まれ、僅か1分40秒、パワースラムからの片エビ固めで完勝しています。ハンセンと組むようになってから試合にスピード感が増していました。

ダイナマイト・キッド&デービーボーイ・スミス組はジャパンの小林邦昭&保永昇男組との対戦。保永の蹴り足を捉えたスミスはそのままパワーを利してぐいっと持ち上げるとそこへキッドが保永めがけコーナーポスト最上段からミサイルキック。堪らずダウンする保永をスミスがそのままカバーの体勢に入り、カウント3。10分37秒、体固めでスミスが保永を破りました。

第10戦は12月2日井上の地元、大阪城ホール(観衆7,100人発表)大会。

大阪府立体育会館が老朽化による建て直しの為、この年の大相撲春場所を持って一旦、閉館。プロレス興行も大阪城ホールでの開催がメインになりましたが、この日は全日本プロレス、ジャパンプロレス連合軍開催の大阪城ホール大会での最低動員記録を発表せざるを得なくなりました。

ちなみに85年に入ってからの全日本、ジャパンによる同所での観客動員発表は次の通り。2月21日(木)ジャパン主催、長州vs天龍12,000人満員。5月13日(月)ジャパン主催、長州vsハンセン9,200人。6月4日(火)全日本主催、インターナショナル・ヘビー級選手権試合鶴田vsテリー・ゴディ、長州&キラー・カーン組vsザ・ロード・ウォリアーズ11,500人。8月5日(月)ジャパン主催、長州vs谷津(当初は長州vs鶴田を予定)7,900人。11月4日(月・祝)ジャパン主催、長州vs鶴田9,500人。

この日で6回目となり2か月に1回は大阪城ホールで興行を打っていることになり、やはり当時国内最大規模の16,000人キャパの大阪城ホールでの興行はやり過ぎの感はありました。

新日本プロレスはこの年7月28日の日曜日に猪木vsブルーザー・ブロディ、藤波辰巳vsジミー・スヌーカ、ザ・コブラvsヒロ斉藤のNWA世界&WWFジュニア・ヘビー級ダブル・タイトルマッチで13,740人超満員発表の1度きりしか開催しておらず、選手層が薄くなったところからキャパを考慮してか開催には慎重になっています。

井上は第3試合でジャパンプロレスの新倉史裕とシングルマッチで対戦し、10分6秒、サマーソルト・ドロップからの片エビ固めでフォール勝ち。

メインイベントはリーグ戦の優勝を左右する大一番、タッグリーグ公式戦、鶴田&天龍組とハンセン&デビアス組の対戦。腰に不安を抱える天龍の分まで鶴田が奮闘しています。鶴田がハンセンにお株を奪うジャンボ・ラリアット。ハンセンよりも長身の鶴田に打たれたラリアットはハンセンにダメージを与え、ハンセンはロープにもたれかかりました。

そこへ鶴田がもう一発ジャンボ・ラリアット、しかしこれを見ていたハンセンが間一髪かわし、鶴田は場外へ転落。追うハンセン、待っていた鶴田はハンセンを柵に叩きつけてリング生還を狙いましたが、エプロンの鶴田にデビアスがリング内からタックルをかまし、鶴田は再びリング下へ。13分10秒、鶴田とハンセンが両者リングアウト。天龍は腰を負傷している為か救援が遅れました。

鶴龍コンビは連夜の無得点試合で2勝1敗1時間切れ引き分け1両リンで失点5の5点のまま。ハンセン&デビアス組は初の無得点試合となり2勝1両リン、失点2の4点。

セミファイナルでも公式戦が組まれ、馬場&ドリー組とニック&カート組が対戦。ドリーとカートの攻防となりましたが、レフェリーの死角を突いて入って来た馬場がカートに河津落とし。身長差のある馬場の河津落としを喰らって後頭部をしたたかに打ち付けたカートのバックにドリーが周り、後方回転エビ固め。13分8秒、カウント3が入り、馬場&ドリー組がベテランらしい老獪な連携プレーを見せて初白星。1勝1時間切れ引き分け、失点3で3点。ニック&カート組は3戦3敗の0点。

セミファイナル以下は公式戦外の試合、セミ前に組まれたのは長州とバーのシングルマッチ。7分13秒、長州がリキラリアットからの体固めで豪快に仕留めてみせました。

キッド&スミス組はジャパンプロレスの小林邦&寺西勇組と対戦。新日本プロレス時代、キッドとは初代タイガーマスクと共にライバル関係にあった小林と、キッドの初来日第1戦(79年7月19日国際プロレス、北海道・木古内町民会館)の対戦相手だった寺西とのコンビは興味深い組み合わせとなりました。

同じ組み合わせは84年1月1日新日本プロレスの後楽園ホールで実現、16分22秒、キッドが寺西をダイビング・ヘッドバットから体固めに決めてキッド&スミス組が勝っていますが、この時は両チーム共にジュニア・ヘビー級でした。

しかし、全日本マットでヘビー級戦士としてリーグ戦に臨むキッド&スミス組にはもはや相手ではなく、11分26秒、キッドが逆さ押さえ込みで寺西をフォールし、ブルドッグスの勝利。

レイスは珍しく国際血盟軍の剛とシングルマッチを行い、6分45秒、フライング・ラリアットからの体固めで完勝。

タイガーマスク&渕正信組vsジャパンプロレスの谷津&保永組は11分48秒、谷津が渕をワンダー・スープレックス(フロント・スープレックス)からの体固めでフォールしジャパン軍に凱歌が上がりました。

対ジャパンプロレスの切り込み隊長、石川敬士は前日の後楽園ホール大会での栗栖正伸戦で腰を痛め、この日から欠場。天龍に次いで石川の腰の負傷は全日本プロレスには痛い戦力ダウンとなりました。

第11戦は12月3日愛知県体育館(観衆6,300人発表)大会。

天龍は腰の負傷をだましだまし試合に出ていしたが、公式戦に集中させる為かこの日予定されていたデビアスとの夢のシングルマッチは中止になりました。天龍のプロレスデビュー戦(76年11月13日テキサス州ヘレフォード)の相手でもありUNヘビー級王座を賭けて3回対戦し1勝1敗1分と互角で、スタン・ハンセンのパートナーとしてヒールターンしたデビアスとの試合は30分1本勝負でも十分見たかったですが、公式戦全日程を完走させることを優先させたのは馬場の配慮であり仕方ない判断でした。

カード変更となった天龍は井上&渕と組んで国際血盟軍のR木村&原&剛組の国際血盟軍との対戦、井上の対戦相手は全員元国際プロレスで原とはかつてIWA世界タッグ王座、全日本プロレスではアジア・タッグ王座を保持していた間柄。

他に後の龍原砲、天龍と原の絡みや天龍同盟を結成してからの井上と天龍の関係などを追っていくと非常に興味深い組み合わせとなります。

12分18秒、R木村がブルドッキング・ヘッドロックからの体固めで渕を破っています。後にファミリー軍団vs悪役商会で長く闘いR木村が試合後のマイクパフォーマンスで渕の「独身ネタ」をイジるのが定番となりましたが、この時はまだまだ力に開きがありました。

メインイベントでは注目の馬場と長州の初対決、馬場&ドリー組と長州&谷津組のタッグリーグ公式戦。 

長州の叩き潰すプロレス、ハイスパートレスリングと御大・馬場の王道プロレスがどのように融合するか?ノーテレビなのが惜しまれるカード。長州は馬場の長い足をサソリ固めに決めるべくトライしましたが、馬場の巧みな防御に遭ってステップオーバー出来ず。

若さと勢いでは上回る長州&谷津組でしたが馬場&ドリー組のゆったりした試合ペースに飲み込まれ30分時間切れ引き分け。馬場&ドリー組は1勝2時間切れ引き分け1両リンで失点4の4点、長州&谷津組も1勝2時間切れ引き分けで失点2の4点で並びました。試合後長州は馬場について「脚力の強さを感じた」とコメントしています。

デビアスはスハンセンとのタッグで鶴田&大熊組と対戦、6分51秒、ハンセンが大熊をウェスタン・ラリアットからの体固めでフォール。

セミ前に組まれたのはスペシャルマッチ、レイス&バー組とニック&カート組の一戦が12月11日、前橋・群馬県スポーツセンターでの公式戦を前に前哨戦として実現。前年はパートナー同士だったレイスとニックが対戦する豪華カードでしたが、11分57秒、レイスがカートをフライング・ラリアットから体固めに決めてレイス&バー組が前哨戦を制しました。

キッド&スミス組はジャパンプロレスの小林邦&仲野信市組と対戦、10分53秒、スミスが仲野に雪崩式オクラホマ・スタンピートからの体固めでフォール勝ちしています。

第13戦、12月4日福岡国際センター(テレビ収録、観衆4,500人発表)大会。全日本プロレスは大阪城ホール、愛知県体育館、福岡国際センターと大会場での興行の連戦ですが、いずれも満員マークはつかず苦戦を強いられました。

日本テレビの収録はありましたが、ゴールデンタイム放送とあって3週連続の生中継が組まれており11月27日の札幌中島体育センターに次いで、優勝戦の後に放送される総集編と夢のシングルマッチ中心の放送になっています。

この日予定されていた天龍とバーの夢のシングルマッチは天龍の腰の負傷の回復具合が思わしくなく中止、カード変更されました。バーはレイスと組んで井上&薗田組と対戦。初来日のバーと井上はこれが初対決。

11分45秒、レイスがフライング・ラリアットからの片エビ固めで薗田を降しています。

メインイベントはタッグリーグ公式戦、馬場&ドリー・組とハンセン&デビアス組の一戦。7月30日の福岡スポーツセンターでハンセンにフォール負けを喫し、PWFヘビー級王座から転落、タイトル戦線から撤退を余儀なくされた馬場は福岡の地でタッグでハンセンにリベンジを果たしたいところでした。

しかし、パワーで上回るハンセン&デビアス組が試合を優勢に進めていきます。ハンセンとデビアスが鮮やかなダブル・ドロップキック、馬場はたまらず場外へ転落、そこへ追い打ちをかけるようにハンセンが場外でのウェスタン・ラリアット。場外で崩れ落ちるようにダウンする馬場。リングに戻ろうとしたハンセンでしたが、救援に入って来たドリーがハンセンに場外でバックドロップ。ハンセンもこの一撃で後頭部を場外マットにしたたかに打ち付けて立てず。13分4秒、試合権利のある馬場とハンセンが両者リングアウトとなりました。

馬場&ドリー組は1勝1時間切れ引き分け2両リン、失点5の3点、ハンセン&デビアス組は2勝2両リン、失点4の4点となりました。

セミファイナルは夢のシングルマッチ、鶴田とカートが対戦、2年後にはAWA世界ヘビー級王者となるカートですが、この時はまだまだ鶴田の敵ではありません。カートのドロップキックをはたき落とした鶴田がジャンボ・ラリアットからのバックドロップ。9分27秒、体固めで完勝、まさに横綱相撲を見せています。

セミ前に組まれたのは初のシングル対決、長州とニックの夢のカード。せっかちなハイスパート・レスリングの長州とノラリクラリ戦法のニックでしたが、この日はニックが長州を自分の懐には入れようとせず、王者のレスリングで長州を翻弄。

ニックのロープ近くでのボディスラムを長州がバランスを崩し、もつれて同体で場外へ転落。場外で激しい殴り合いを見せましたが12分40秒に両者リングアウトの引き分けとなりました。

腰への負担軽減の為天龍はタッグマッチに出場、大熊と組んで国際血盟軍のR木村&原組と対戦、12分23秒、原がヒットマン・ラリアットから大熊を体固めで破り国際血盟軍の勝利。

タイガーマスク&渕組vsジャパンプロレスの小林邦&仲野組は12分24秒、タイガーマスクが仲野をジャーマン・スープレックスホールドでフォール。

珍しいカード、ジャパン対国際血盟軍、国際プロレス時代の先輩後輩対決、寺西勇と剛竜馬のシングルマッチが組まれ10分29秒、逆さ押さえ込みで寺西の勝ちとなりました。

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