岸部、佐藤、豊悦、國村、勘九郎に受け応えする藤山が生の輝きを増していく一方、死の影が彼女を追っている。牧瀬の死と重なる豊悦の死。半世界の稲垣の死や冬薔薇の兄/息子の死やせかいのおきくの浩市の死など、全てがそうというわけではないかもしれないけれど、阪本が脚本を書く場合において死の影が主人公を覆う。第七の封印の死神のように視覚化ヴィジュアルされているものが主人公にまとわりつき主人公を死に導くわけでもなく、牧瀬の死による贖罪をようやく理解してそこから救い出されるような西洋志向にもなるわけではなく、再生を願うもそれは叶えられずに其処に在る。主人公を思い悩ませるものとして描かれる場合もあるが、死は比重負担されることなく観念にして現実のものとして表されている。
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