3/1(土)〜2(日)の京滋小旅行。
2日目の午前中は小雨の中、方広寺と豊国神社などを訪れ、その模様は昨日既にレポートした。
ランチを京都駅でとったのち、今回の小旅行の主目的であるオペラ《死の都》を観るべく、滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」へ。
JR東海道本線で大津の隣の膳所(ぜぜ)駅迄行き、京阪石山坂本選に乗り換え、次の石場駅で降りると、湖沿いのびわ湖ホールへは歩いて5分。乗り換えがスムースにいけば、京都駅から30分程で行ける。
原作 ジョルジュ•ローデンバック『死都ブリュージュ』
作曲 エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)
初演 1920/ハンブルク州立歌劇場,ケルン歌劇場同時
オペラ《死の都》(全3幕/ドイツ語)
びわ湖ホール、私は初めて来た。外観は現代的な容姿。
空からの鳥瞰。
大ホール入り口。
ホワイエから本来湖が見えるが、当日はこんな眺望だった。
大ホールは4層1,848席、オーケストラピットを使った場合は1,712席と、大き過ぎないのがいい。
4面舞台を持つプロセニアム型で、奥舞台からも袖舞台からも組み立てたまま舞台装置を主舞台に移動できるメカニズムを備え、海外オペラの引っ越し公演もそのままできる数少ない劇場だと言う。
客席は横幅を狭く天井を高くし、且つ壁にサクラ材、床にナラ材を使う事で豊かな残響がえられ、ホール最後部迄歌手の生声が届く工夫をしているとの事。
ホール設計も然り、私の席は1階5列目、センターラインからやや左寄り、歌手達の声は実に生々しく、また表情も息遣いも間近に見えて、実に迫力があった。
このレポートの準備をしている最中に、本公演で指揮をした阪哲朗(ばんてつろう/1968- )が今年度の芸術選奨の文部科学大臣賞を受賞したとのニュースが入った。
めでたい!!
さて、コルンゴルトのオペラ《死の都》は、生では初だが、放送では過去に2度観ている。
作曲家コルンゴルトとオペラについて、ベーシックな部分は、重複を避けたいので、過去のレポートを参照頂けたらありがたい。
・「歌劇《死の都》」(2014.5.23記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1926912833&owner_id=3341406
公演 2014年3月/新国立劇場
指揮 ヤロスラフ・キズリング/演出 カスバ―・ホルテン
出演 トルステン・ケール(T),ミーガン・ミラー(S)
・「歌劇《死の都》(改)」(2021.6.13記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979746748&owner_id=3341406
公演 2019年12月/バイエルン国立歌劇場
指揮 キリル・ペトレンコ/演出 サイモン・ストーン
出演 ヨナス・カウフマン(T),マルリス・ペーターゼン(S)
2公演それぞれ性格の際立った素晴らしい公演だった。
今回のびわ湖ホールのデータは以下の通り。
公演 2025年3/1,2 14:00〜17:10
…私は3/2を選んだ。
指揮 阪哲朗(びわ湖ホール芸術監督)
演奏 京都市交響楽団,びわ湖ホール声楽アンサンブル他
演出 栗山昌良
…日本初演は2014年3月/本ホール、その演出が栗山だった。今回はその再演となる。
栗山は一昨年2023年6/23、97歳で亡くなった。初演指揮は沼尻竜典だった。
出演
パウル 清水徹太郎/山本康寛(T)
マリエッタ(マリー2役) 森谷真理/木下美穂子(S)
…今回はダブルキャストが組まれ、私が観た3/2は後者。
公演機会が少ないのは、歌手,オーケストラ共に演奏難度が極めて高い事による。特に主役2人パウルとマリエッタは殆ど全編舞台に立って歌い続けるため、強靭な声と高度な歌唱技術が必須。ダブルキャストとしたのもその辺りを考慮したのだろう。
阪哲朗は欧米での指揮経歴が25年と長く、殊にオペラにおいては約70演目、通算1000回以上もの公演を積み重ねてきた実績がある。それらは間違いなく各劇場での評価や信頼の賜物だと言えるだろう。
阪は楽譜だけでなく、リブレットを読み込む事も重視するそうだ。細部を通して音楽構造全体を掴み直しトータルな作品として表現する。それが強い説得力につながっているのだろう。
今回の芸術選奨文科大臣賞贈賞理由の文章中に、これは昨年、リヒャルト・シュトラウスの《ばらの騎士》についてだが、「オーケストラを室内楽のように響かせ、台本のすみずみまで明快に聴かせることで、作品を「ドラマ」として」聴かせた、とある。
後期ロマンと20世紀の音楽が混在する時代の音楽の、複雑で官能的、洗練されつつ時に暴力的でさえあるメロディや和声、そして多様なオーケストレーションの展開は、阪のタクトで聴く者を堪能させ、またこれを23歳の青年が作ったのかと驚きの連続でもあった。
こちらはピット内、10種類を超えるパーカッション類。
よく入れ切ったものだ。
(続く)
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