ペドロ、よかった。カプリシャスではない。ジョニーに伝えてよ、とも歌わない。グランジしている。唄う。行く前に想像したのはビッシュのファンも来るのだから、ペンライトを振り回すのかな、と懸念、で、前にいる男性も、その前にいる男性もタオルを首元にかけているので、湘南乃風みたいに振り回すのかな、、いや、たしか映画かなにかで、タオルを頭上にかかげたりしながらヲタクがド派手にワイルドに踊るのあったのを思い出し、防御態勢、臨戦態勢に入る、も、はじまると、そんなこともなく、バンドライヴらしくオーディエンスは手や拳をかかげ振るものとなり、皆は青春する。こちらから観て、ステージ真ん中にアユニD、左にドラムのゆーまあがこちらから見て横に見える位置、アユニDを見る形で陣取り、右側に田淵ひさ子。主役はD、そしてまさに脇を固めるふたりである。手数の多いバイプレイヤーたちが光る。グランジしている。唄う。2曲目が最近知った曲、祝祭である。アップテンポにグランジし、4曲目が終わり、Dは「はじめまして。PEDOROと申します」と言う。それから2曲、そして、あらためまして、PEDOROです。主役は皆さま、好きに愉しんで遊戯を楽しみましょう、と言う。Dは深々とお辞儀をする。キモイ自分を隠しずっと生きているけれど、ステージに出ると、そんなキモさがアカラサマになる、それを受け入れる自分、みたいなことをMCする。アップなだけではなくマイナーコードな曲もあり、田淵は、アンディーサマーズやジョニーグリーンウッドとは違った感じだけれど、テクを上手い感じながら唐突に思わるようにときどきドキドキ、でも頻繁にかな、顕す。ドラムもラウドに手数も多い感じで響き渡らせる。Dのベースもときおり昇りつめるようにグルーヴする。曲「魔法」の前の曲では、こないだのカネコアヤノにも似た感じの、音響をメロディアスながら空間に埋めるサイケを表わし、こういうサイケデリックは最近の流行りなのかな、と思うも、恍惚をあじあわせてくれる。ステージからはける。19時に始まったのにまだ20時11分。最近のライヴって、こないだの誰かもそうだったけれど、短いな、となる。3人がステージに戻る。イントロの音がおかしい。Dが田淵を見る。ふたりは顔を見合わせる。田淵はキョトンとした顔でDを見る。Dは、わぁごめんなさい、とズッコケる(註1)。ライヴ冒頭で気付かなかったけれど洋服のトラブルがあったらしく、それに言及し、いろんなことをモロに出しライヴする、というようなことを、たしか、言ってからそのあと、聴いてください、春夏秋冬とDは言い、唄が始まる。ステージが進んでいくにつれ、胸がしめつけられるようなグッとくる感覚がこみ上げてくる。PEDOROはグランジってるけれど、やはりとても唄してるんだな、という想いがこみあがってくる。唄、感動する。
註1 ズッコケるとは言っても、欽ちゃんのズッコケかたでも吉本新喜劇の皆で前のめりにステージ前方に進んでいきながらのズッコケでもない(若人はこんなこと言ってもぜんぜん想像できないに違いない)。短い一瞬、顔を上にあげのけ反り、わぁごめんなさい、と言う。カワイカッタ。
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