mixiユーザー(id:2566286)

2023年08月17日16:55

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逃走迷路


逃走迷路おもしろかった。ヒッチコックのアメリカ時代初期作品でも本作と海外特派員はけっこう観ているような気がする。NHKでよくあっていたのではないかな。久しぶりなので、自由の女神のところ以外はところどころしか覚えていない。北北西に進路を取れや本作のラストを見ると、事件解決よりも事件のなかで互いに魅力を感じたり反目したりするヒーローとヒロイン同士の恋の成就の方がヒッチコックにとっては大きな要素なのだな、となる。バルカン超特急にしても国際アフェアを解決する鍵となるメロディにおいて解決策の中身を我々に教えることはなく、主人公たちふたりの愛の高鳴りとしてだけの作用としか働かされない。どういった国際事情が背景としてあるか、当時のオーディエンスなら分かるだろうけれど、こちらには説明されない。でも本作に関しては、事件の背景は見えてくる。軍事工場や市民生活を麻痺させるためのコミュニストの工作であることが、流れを観ながら分かってくる。ヒッチコックにサボタージュ、つまり妨害工作という作品があるけれど、本作の原題はサボタ―、つまりサボタージュを行うヒトであり、本作の字幕では破壊活動を行うヒトと表されている。軍需工場の破壊工作が冒頭の方あらわされる。アカに対する恐怖は映画などマスコミュニケーションが煽っているものか、もとからある脅威なのかは分からないが、やはり対する恐怖は根強くあるのだな。ヒーローはヒッチコックご多分に漏れず、事件に巻き込まれ犯人に見立てられ自力で真犯人を捜す。途中、証拠となる手紙が出てくるが、それを持ってその場から抜け出し証拠を警察に提出することしないのはハナシがそこで終わってしまうからか、あるいは主人公がどんな危険にあってでもあえて自力で犯人を探したいからなのか、証拠を手に掴み取ろうとはしない。おかしなところ多々あるけれど、作品のおもしろさは我々の眼差しをくぎ付けにさせる。国民の義務という言葉がけっこう出てくるが、そうした責任感はまだアメリカには強くあったのかな、どうだろう。そんな感覚が多くに普通にあるから、ベトナムウォーやウォーターゲートなんかで国家の裏切りをどえりゃー強く感じたのであろうか。エスタブリッシュシークエンスのダイナーから本作、アメリカンに満ちている。リバティが重要な要素として作品に表される。セルズニックが配するキャストに少々不満があるヒッチコックのようであるが、ロバートカミングスは後にダイヤルMにもキャストされるので作品内でのヒーロー像には満足はしているのであろう。カミングスは後に冠番組のシットコムが何年も続いたらしいし、ディズニーランド開園を紹介する番組でも何周年記念かの番組でもリポーターや司会をやっているから国民から的には愛されるキャラなのであろう。彼はヒロインと一緒に作品内をさまよいながらもかろやかに動きまくる。ワルが専制国家コミュニズムを賞賛するのに対しヒーローは、社会主義はたしかに効率はいいが、弾圧が横行している、というよなことを言い、勝つまで戦い続ける、と言う。海外特派員のラストも戦い続けるとか言ったりとそういった感じだと記憶する。そして現在まだ、勝つまでまだ戦い続けている。世界のパワーバランス的に、それ保たなければ逆にセカイは消滅するだろうから、どちらか一方が勝つも負けるもないし、だからずっと戦い続けるのだろう。それゆえ、こうしたサスペンスは決して消えることはないジャンルであり続けるのだろう。ヒッチコックは芸術的普遍性にまで高める。ヒッチコックがサスペンスというジャンルにおいて、ユーモアもあって息もつかせずヒヤッとさせるこうした傾向を築き上げているのである。


ヒッピーがボーントゥビワイルドと言う前の時代だったからであろうか、或いはイギリス出身だからかな、チャップリンもヒッチコックもとても気品を大事にしているように思える。




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