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2023年06月16日11:52

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ベイビー・ブローカー


ベイビー・ブローカーおもしろかった。ソンガンホ、男優賞受賞コングラチュレーションずカムサンミダ。渇きほど存在感なく、されどあの作品のように怖ろしさを遂には出し、脇に回るシークレットサンシャインのように脇に徹するでもなく、されどあの作品のように微笑ましさも表し、すなわち、シークレットサンシャイン<本作<渇きの存在感である。最終盤は彼の視点における、赤ちゃんの動向でおさまるのは、姿を現さずとも彼がプロタゴニストであること、明白に作品を支配している証明となる。最初の方は追う警察からすれば現行犯逮捕のためへの珍道中、追われる方は反目し合いながらも友情芽生えする膝栗毛。階段を登るカンドンウォンの後ろ姿、それから彼に昨日はごめんなさいと彼に言うイジウン、そこにかかるメロにともなわれ思うのは、なんだか日本的(とはいえ、山田洋次とも違い北野武とも違い木下恵介とも違うゆえ、やはり是枝的なファンタジックだと言える)。観覧車で語り合うふたり、そこでのシーンも、捨てられたバックグラウンドはすでに言われているも、感じられつつもはっきり語られていないもの、醸し出される。日本的情感が作品にやはり漂うな、の印象。(忖度ではなく)躊躇による多くを語らないことが、やはりコリアンの映画作品と一風違う。ラストも多くは語らない。ヒッチハイクしている少年は里親が見つかったのかな、彼を見つけにくる女性がタクシーに乗せ、集合場所に向かうのか引き戻されるのか、多くを語らず、カンドンウォンも、生まれてきてくれてありがとう、と言われた直後、イジウンから警察に引き渡され、母性の二度目の裏切りにあい、それゆえ集合場所に来ないかもしれないし、大きく受け入れ、赤ん坊とイジウンのために現れるかもしれないし、と多くを語らず、姿を表わさない主人公もその眼差し、赤ん坊の行く末と仲間の絆を信じたいところで、我々みちびき余韻をもたらす。なにか、いつもファンタジックな結末にも感じるけれど、せちがらい世の中を見せ、なにもラストまでは、として救済を表すのも是枝風だと言えよう。そのファンタジックなセンスも好きな人には好きでたまらへんのだろう。


中島貞夫が亡くなられたけれど、山下敦弘や石井裕也の泥臭さって、中島貞夫イズムなのかな、とちょっと思ったことがあるけれど、なにも担当教授が彼だけではないだろうし、たまたまかな、となるも、山下と石井だけに限らず大阪芸大出身のヒトってW浅野のトレンディー空間ではないな、となる。中島貞夫こんど観てみよ。




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