川の底からこんにちは、おもしろかった。夜空はでは母の死のトラウマ、本作では亡くなった母への想い、と、ウィキでの石井の経歴で母の死が書かれているけれど、他の作品でも母情は刻印されているけれど、そのリピートされるもの、ある意味での作家性とも言えるであろう(主人公が母親になるまでのプロセスも表されるけれど、母への憧憬が重ね合わされ満島との恋は誕生したのであろうか。石井裕也はある意味、マザコン変態である)。しょうがないが口癖の主人公のその口癖がやがて消えて無くなるプロセスかと思いきや、しょうがないは最終盤でも出てくる。しょうがないという言葉が口から洩れてしまうしょうがない世の中だけれど、精神的に成長変化した主人公はその不条理世界で奮闘していくことであろう、な姿がやがて表される。不条理な世界や誠実であれ等、説教節も本作では声高でなく、人物たちの所作や言説をオフビートに表す感じでのインディーズの延長路線だけれど、相手の傷みを想像しろの想像力、愛することの本当の意味、そしてなにより、一生懸命に生きる人間のパワーは石井裕也印としてパワー全開に表される。そこには絆がアピールされる。ラストの父への叫びも家族情があり、独立独歩の独り者的な山下敦弘テクストとそこが大きく違うな、となる。そして本作、その表されるもの見まわすと、ガールスパークスや君と歩こうよりも今に続く商業映画の原点なのだ、となる。続けてリアリズムの宿に行こうかと思うも、サードともっとしなやかに、もっとしたたかに、それと、10代恵子の場合が届いたので森下愛子祭りをしなければならなくなる。リアリズムの宿はのちのち茜色に焼かれると一緒に尾野真千子祭りをするとき観ることにしよう。
ログインしてコメントを確認・投稿する