恋は緑の風の中おもしろかった。予告編では主人公の少年はレオスカラックスもたじろぐぐらいのキザにみえナルシストかと思っていたけれど、本編観ると実に素直な一般的少年である。主人公の少年はアメリカン・シットコムを朝から晩まで観てるんじゃねみたいなぐらいアメリカンナイズしていてママの頬にキスするし、ときには唇にもキスをしてギリシャ神話のような驚きも展開、母親も彼の背中に手を回す。家族も家族でかなりオープン。なんでも言いあえる間柄のようである。ある意味、この家族は同じ屋根の下、ヌーディスト村である。中二だけれど少年は、風呂上がり裸でリヴィングルームを走り回っても、誰も咎めない。少年はオープンマインドにスクスク育っているようである。母親も彼女を救ってくれた若人へのラヴ心をあからさまに赤裸々らららラヴソングする。背信行為が顕であるが、あまりにもみんなナチュラルにしているので、あまりにもフツーのこととして見せてしまう。それゆえ児童ポルノまがいの原田美枝子ともうひとりの少女のヌーディティが出てきてもフツーのことに見えてしまう。だって誰しも持って生まれてあるものであるから当たり前。恐るべし家城巳代治。Wひとみが主演の姉妹もあまりにもナチュラルをナチュラルなままに表していたのではなかったかな。怖ろしい演出術、スッとこちらのエモーションをナチュラルに映像に入り込ませる。教育映画の様相もある。背徳行為が氾濫する映像なのにあまりにも普通の人間的営みとして表してみせるのである。だってヒトの普通に感じる行為だもの。それを教育しているかのような少年少女たちが主人公の児童映画かのよう。ラストシークエンスの水面に映る少年と少女。少年少女は無自覚にナルシストであること語らしおんかもしれない。そして川を挟んだ距離感、理解し合っているかのように思っても、はたしてヒトはそうか、という問いも呈するセンスとする。
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